2008年03月11日(火)
1月貿易収支は582億ドルの赤字、前月から拡大も予想下回る
[経済指標]
米商務省が発表した1月の貿易収支は、582億ドルの赤字となった。昨年12月の赤字が速報段階での587億5900万ドルから578億5600万ドルに改定となり、この結果、1月は前月比0.59%の赤字拡大。しかし、赤字幅は市場予想と比べるとやや低めである。
1月の輸出は一ヶ月前から1.63%増えた。昨年7月以来の大幅プラス。モノが1.56%アップで、前月よりやや伸び悩み。消費財と工業品が前月を下回る伸び率だった。資本財は2ヶ月ぶりにマイナス転落した。しかし、飲食品は4ヵ月ぶりの高い伸びとなった。自動車及び自動車部品の出荷は2ヶ月連続で前月より減少だが、マイナス率は0.08%と前月に8%近い落ち込みだったのと比べるとペースは鈍化した。サービス輸出は1.79増え、3ヵ月ぶりの大幅増加だった。
輸入は1.33%増え、前月の減少以上に伸びた。主因はエネルギー関連の拡大である。原油(季節調整前)だけで前月から8.83%増えて270億9358万1000ドル。3ヵ月ぶりの大幅アップである。単位価格が84.09ドルと、11ヶ月連続して過去最高を更新。また、買い付け規模も日量ベースで1039万4000バレル、一ヶ月前を7.10%、3ヶ月ぶりに上回った。エネルギー関連を含む工業品が6.34%と前月以上の伸び率である。飲食品・飼料や自動車関連がプラス転換。しかし、資本財と消費財は2ヶ月連続の減少だった。モノの輸入が1.38%増加。サービスは1.12%増加し、3ヶ月ぶりに1%を超える伸びとなった。
物価上昇を考慮した実質値(リアルマネー)ではモノの赤字が前月比0.88%増の493億3400万ドルだった。石油関連が1割強の増加となり、反面非石油は約6%落ちた。
国別で赤字最大の対中国が203億1300万ドルとなり、前月から8.09%拡大した。二番目に赤字規模の大きい対日はほぼ横ばいの65億9200万ドル。石油の輸入増加を背景に石油輸出国機構(OPEC)に対する赤字が2割以上膨らんだ。対サウジアラビアで約25%増え、インドネシアに対しては約33%の赤字拡大である。
なお、商務省は2007年のデータを全面的に修正し、この結果2007年通年の赤字幅は速報段階で7116億1200万ドルだったのが7085億1500万ドルにダウン。前年比も当初の推定6.18%減が6.59%減に改定となった。
Posted by 直