2008年05月08日(木)
市場には供給不足は生じていない、OPEC事務総長声明
[エネルギー]
OPECのエル・バドリ事務総長は8日に緊急声明を発表、石油市場に供給不足は全く生じていないと指摘、加盟国はこれ以上供給を増やしても買い手を見つけることが出来ないと目先の増産の可能性を否定した。
金融市場が発達し投機資金の流入が増加していることによって市場は変動が激しくなっているとし、世界の株式市場の下落やドル安が進行していることを受け、投資家が原油をはじめとした商品市場に対してより高い利回りを求め、価格を押し上げているとした。
市場に供給不足は全く見られておらず、OECD諸国の在庫は過去5年の平均を上回っており、需要の53日以上をカバーする十分な水準にあると指摘。米国内の原油在庫が先週前週比で約600万バレル増加したことも、供給が十分にあることを示しているとした。
OPEC は日量3,200万バレル以上の石油を生産しており、新たな開発プロジェクトが開始したことにより、現時点で日量300万バレルを上回っている生産余力は更に増えるという。一方、加盟国の幾つかはこれ以上の供給に対して買い手を見つけることが出来なくなっているとも指摘した。
OPECは今後もこうした状況を注意深く見守っており、市場で何か新たな必要が生じた場合は速やかに対応する容易があるという。市場が安定し均衡が取れた状態になることを望み、価格がファンダメンタルズを反映し生産国、消費国双方にとって好ましい水準になるように努力を続けるとした。
Posted by 直