2008年05月09日(金)
USDA需給報告:小麦、コーン在庫は予想上回る、大豆は強気
[穀物・大豆]
米農務省(USDA)が発表した5月の需給報告によると、今回が初めての推定となる08/09年度の米国内小麦需給は生産が前年比15.7%増の23億 9,200万ブッシェルとなった。作付面積は6,380万エーカーと3月末の推定の数字をそのまま使用、イールドは1エーカー42.5ブッシェルと前年の 40.5ブッシェルから上昇する。なお、春小麦については3月末の推定より10%作付が増加するのに伴い上方修正されるとの見通しを示している。需要は国内消費が12億7,400万ブッシェルと前年から16.0%増加する一方、輸出は23.8%減って9億7,500万ブッシェルと推定。いずれも2月のアウトルックフォーラムで示した12億1,400万、9億5,000万ブッシェルを上回っている。コーン価格の上昇によって飼料需要が増えるのが背景にあるという。期末在庫は生産の増加をうけ4億8,300万ブッシェルと前年の2億3,900万ブッシェルから倍増、在庫率も21.5%に回復する。在庫は市場予想平均の4億2,400万ブッシェルを上回った。
08/09年度のコーン国内需給は生産が121億2,500万ブッシェルと前年比で 7.3%減少、これは3月末の意向調査で出した8,600万エーカーという作付推定に基づいており、実際の作付はこれよりも増えるとの見方が多い事を考えれば、今後上方修正される可能性は高い。イールドは1エーカー153.9ブッシェルと前年の151.1ブッシェルから上昇する。需要は飼料および残余が価格高騰を嫌気し53億ブッシェルと前年から13.8%減少、一方食用、種子、工業需要はエタノール需要の伸びにより53億6,000万ブッシェルと前年から22.9%増加する。エタノール需要は40億ブッシェルと前年の30億ブッシェルから33.3%増加する。輸出は21億ブッシェルと前年比で16.0% 減少する。米国外の生産増や、欧州の輸入減少見通しが背景にある。総消費量は127億6,000万ブッシェルと前年から1.9%減少、2月のアウトルックフォーラムで示された130億2,000万ブッシェルからも大きく引き下げられる。期末在庫は生産の減少を受け7億6,300万ブッシェルと前年の13億 8,300ブッシェルから大きく減少、在庫率は5.98%まで低下する。在庫は市場予想平均の7億700万ブッシェルを上回った。なお、07/08年度はエタノール需要が1億ブッシェル引き下げられたのに伴い、期末在庫もその分上方修正されている。
08/09年度の国内大豆需給は生産が 31億500万ブッシェルと前年から20.1%増加。これは前年比で作付が17.6%増えるとした3月末の意向調査の数字に基づいており、実際の作付は価格の高いコーンへの転作が進むことで減少する可能性が高いとされている。イールドは1エーカー42.1ブッシェルと前年の41.2ブッシェルから上昇するとした。需要は国内圧搾需要が18億5,000万ブッシェルと前年から僅かに増加、一方輸出は10億5,000万ブッシェルと3.7%減少する。圧搾需要は2月のアウトルックフォーラムでの推定から1,000万バレルの下方修正、一方輸出は2月に9億1,000万ブッシェルとしていたのからは引き上げられた。期末在庫は1億8,500万ブッシェルと前年の1億4,500万ブッシェルから増加、在庫率は4.79%から6.02%に上昇する。07/08年度の期末在庫が輸出見通しの引き上げに伴って1,500万ブッシェル下方修正されたこともあり、08/09年度の期末在庫は市場予想平均の2億7,300万ブッシェルを下回った。
Posted by 直