2007年01月08日(月)
ECB総裁、保護主義の台頭に懸念を表明
[要人発言]
ECBのトリシエ総裁は8日、バーゼルで開かれているBISのG10中銀総裁会合後の会見で、2007年の世界経済について、2006年に極めて近い成長が期待できるとした。成長は僅かに鈍るかもしれないが、大きく落ち込むことはないという。また、各国中銀総裁は2008年も成長は持続すると、楽観的な見方をしているという。
今後のリスク要因としては、保護主義の台頭を指摘。この問題を(会見の)最初に取り上げるのは今回が初めてだと思う、世界的に保護主義的な風潮が高まっていることに対する懸念が拡大していることを示した。現在世界には十分な流動性があるため、市場はこのリスクを過小評価しているとも付け加えた。
米経済のスローダウンについては、避けて通ることは出来ないとしながらも、落ち込みは段階的、限定的で、それほど急激なものとはならないとした。また、欧州や他の輸出国へ波及するとは考えにくいとも述べている。
インフレについては、会議出席者の総意として、「我々はまだ勝利したわけではなく、警戒感は残る」と発言。物価上昇のリスクが高いことを改めて示した。また物価の制御とインフレ阻止に対する信用を維持するのは、中央銀行にとって非常に重要なことの認識も改めて示している。
Posted by 松