2008年12月09日(火)
EIA、09年世界石油需要見通しを63万バレル引き下げ
[エネルギー]
米エネルギー省情報局(EIA)は9日に発表した短期アウトルックで、09年度の世界需要を日量8,530万バレルと推定、前月から63万バレル下方修正した。OECD諸国では欧州の見通しを15万バレル引き下げたのが目立ったほか、新興国の見通しも合計で34万バレル引き下げており、景気減速に伴う需要の減少が米国からOECD諸国、そして新興国に広がっていることが見て取れる。08年度の需要も日量8,575万バレルと14万バレル下方修正。この結果、08年度の需要は前年比で5万バレル(0.06%)の減少、09年度は45万バレル(0.52%)の減少と、今回初めて世界全体の需要が08、09年度共に前年割れになるとの見通しを示した格好となる。
世界石油供給は09年度が日量8,514万バレルと前月から58万バレルの引き下げ、08年度は8,552バレルと10万バレルの引き下げとなった。09年度の引き下げはOPECの減産見通しによるもの。非OPEC諸国の生産量は米メキシコ湾岸や中央アジア諸国の生産回復が遅れたことで31万バレル減少すると見られるが、09年度には41万バレル増加する見通し。メキシコや北海油田、ロシアの生産減が予想されるものの、アゼルバイジャンやブラジル、米国の生産増がそれを上回るという。
OPECの11月生産は日量 3,148万バレルと前月から73万バレル減少。サウジが45万バレル、イラン、UAE、クウェートが10万バレルずつ、ナイジェリアが9万バレルと、先のOPEC総会で11月1日から150万バレルの減産が決定されたことを受け各加盟国が生産量を減らした。一方、生産枠から外れているイラクが7万バレル、インドネシアが1万バレルの生産増となったほか、アンゴラの生産も11万バレル増えた。イラクとインドネシアを除く11ヶ国の生産量は日量2,823 万バレルと前月から81万バレル減少。日量2,730万バレルと推定される現在の生産枠を90万バレル強上回っている。OPECの生産余力は日量254万バレルまで増加した。
WTI原油の価格見通しは08年平均が1バレル100.40ドルと前月から1.05ドル引き下げ、09年は 51.17ドルと12.33ドルの下方修正となった。レギュラーガソリンの平均価格は08年が1ガロン3.27ドル、09年が2.03ドルとそれぞれ2セント、34セント引き下げられた。
Posted by 直