2008年12月09日(火)
全米不動産協会、住宅販売見通し一段と引き下げ
[金融・経済]
全米不動産協会(NAR)は9日に発表した月次住宅市場見通しで、向こう3年間の住宅販売見通しを一段と引き下げた。協会チーフエコノミストは、2009年前半のマイナス成長を予想。後半には住宅市場の底入れを反映して景気が立ち直るとの見解を示す。それでも、販売回復に関して前回報告より鈍いペースをみている格好である。
中古について、2008年に前年比12.3%減の495万8000件と推定している。前月報告で501万9000戸みていたのからシフト。2009年には519万戸と500万の大台回復の見方だが、前月に見通していた531万9000 戸より少ない。2010年の販売見通しは561万9000戸から555万1000戸に改定した。
NARの新築販売見通しは、2008年で前年比37.36%減の48万6000戸となっている。前回報告より1000戸と僅かにも少ない。2009年には、これまで41万 3000戸みていたのが39万3000戸と40万割れの予想に転じた。2010年に改善の見通しは維持しているが、52万戸から44万6000戸と弱い回復の見方である。着工件数も前月の報告より引き下げた。2008年を2000戸下方修正して93万4000戸、 2009年を78万1000戸から73万1000戸に改定。また、2010年の着工件数見通しを88万6000戸から77万2000戸に大きく削減した。
NAR のチーフエコノミストは価格の行方に慎重姿勢をみせており、消費者の悲観ムードがさらに押し下げるかもしれないという。その場合には景気への影響拡大にも懸念を示す。中古市場で、2008年の価格は前年比9.3%安の19万8500ドルと前月時点より100ドル下回るだけ。しかし、2009年分を20万 800ドルから19万9200ドル、2010年分を21万1100ドルから20万8300ドルにそれぞれ引き下げた。
新築市場でも2008年を7.8%安の22万7900ドルと従来から300ドル引き下げ。2009年を1000ドルカットして23万400ドル、2010年については24万4000ドルから24万1800ドルに改定した。
Posted by 直