2008年12月12日(金)
11月生産者物価指数は前月から2.21%下落、予想以上のマイナス
[経済指標]
米労働省が発表した11月の生産者物価指数(PPI)は前月比2.21%下落した。4ヶ月連続の前月比マイナスとなり、市場予想以上の下げ。背景にあるのがエネルギー価格である。11.20%と前月に続く2けたのマイナスだ。ガソリンが25.73%下がり、2ヶ月連続で調査史上最もきつい落ち込みである。暖房油は23.35%とやはり前月以上の値下がり。天然ガスも住居用、工業用揃って落ちた。
エネルギーとともに変動の激しい食品は前月比横ばいだった。鶏卵が2割近く下がり、精米や豚肉などの値下がりも目立つ。一方で、野菜や果物、牛肉、菓子類が上昇した。
エネルギー、食品を除いたコア指数は0.12%上昇した。3月以来の低い伸びであり、市場の予想範囲内に収まる。消費財のコア部分では、乗用車が2ヶ月連続下がった。しかし、0.62%と前月より下げ渋っている。化粧品、定期刊行物が前月から変らず、反面、書籍出版や衛生紙がプラス転換。家電は前月並みの上昇ペースだった。資本財が0.06%上昇し、著しく伸び悩んだ。小型トラックの3ヶ月ぶり前月割れ、鉄道関連も大きく落ちた。中間財と原材料のコアも再び記録を塗り替える落ち込みだった。しかし、建設機器は1%強高く、前月の2倍以上の伸びとなっている。
PPIは前年比較すると0.17%上昇した2006年11月からの前年比プラスを維持しているが、11月の伸び率はこの間で最低。コアの前年比は4.17%のプラスだった。10月に1989年11月以来の高い伸びとなったのから上昇一服である。
Posted by 直