2007年01月10日(水)
インフレリスクは依然として存在、シカゴ連銀総裁
[要人発言]
シカゴ連銀のモスコウ総裁は10日、アイオワ州で講演を行い、インフレリスクは依然として存在し、適正な水準に落ち着くまで注意深く動向を見守る必要があると、インフレに対する警戒感を改めて示した。モスコウ総裁は今年度のFOMC投票メンバー。
景気見通しについては、GDPは今後数年間潜在成長力をやや下回るペースで伸びていくと予想。労働生産性の伸びや好調な雇用、エネルギー価格の下落で家庭や企業の購買力が増すことなどが成長を下支えするとした。住宅市場については、住宅建設は更に落ち込むとしたものの、経済全般に波及することはないとの見通しを示している。
インフレについては、最近の指標は良い方向に向かっているとしたものの、インフレリスクは依然として残ると指摘。労働市場の逼迫がこれまで以上の賃金上昇につながる可能性があるとしたが、一方で現在企業の利益マージンは比較的高いため、労働コストの上昇はその中に吸収されることも考えられるとした。インフレの沈静化がこの先も続き、適正とされる水準内(1%-2%)に戻っていくかどうかが重要だと、引き続き注意深く動向を見守る必要があるとした。
Posted by 松