2009年02月26日(木)
IGC、09/10年度世界小麦生産減少見通し
[穀物・大豆]
国際穀物理事会(IGC)は26日に発表した世界穀物需給の月次報告で、2009/10年度の小麦生産減少の見通しを示した。前年度から3900万トン減少して6億4900万トンになるとしている。北半球については、欧州や旧ソ連諸国、米国で冬枯れの報告がほとんどなかった一方、中国は干ばつに見舞われ、米国南部のプレーンズでもさらなる降雨が望ましいとコメント。農家収入の減少と生産コスト高騰から世界の作付は1%減少を見ている。イールドは平均的な水準を見越すという。
2008/09年度の生産推定については100万トン引き上げて6億8800万トンとした。前年比13.0%増加の見方になる。消費は前年比増加の見通しを維持している。ただ、前月時点で見込んでいた6億4800万トンから6億4500万トンに3ヶ月連続の下方修正で、前年からの伸び率は4.9%に縮む。世界の経済鈍化などにより飼料需要見通しがさらなる引き下げとなったという。貿易は1億1800万トンで据え置き。期末在庫は前年度の1億1500万トンに対して1億5700万トンに膨らむ見方。1月時点で見越していた1億5500万トンも上回る。米国と欧州での大幅積み増しを予想している。
IGCは2009/10年度の世界コーン作付けが前年比0.4%減少するのを見通した。米国での大豆への乗換えを反映していると説明。また、欧州の価格下落も減反要因として挙げている。反面、アルゼンチンは2008/09年度の干ばつによる落ち込みから回復を見込む。
2008/09 年度生産推定は600万トン引き下げ、7億8200万トンとした。アルゼンチンとブラジルの悪天候を修正理由にしており、前年度の7億8600万トンを小幅ながらも下回る見方に戻った。消費を7億7900万トンから7億7400万トンに改定し、前年比0.4%増の見通しだ。飼料用需要において一部では景気後退による影響がみられ、またが小麦やオオムギとの競争から引き下げにつながったという。ただ、エタノールや澱粉生産など工業用需要は1億8800万トンと過去最高更新を見込む。貿易を200万トン引き下げて7900万トン。在庫は1 億3900万トンを維持した。前年度と比べて900万トン上回る見方である。
Posted by 直