豪農業資源経済局（ABARE）は22日に発表した四半期ごとの商品レポートで、2009/10年度の世界小麦生産見通しを一段と引き上げた。最新予測は6億6200万トンで、6月時点での6億4700トンから改定。3月に発表した初回予測6億 3200万トンより上方修正を続けた格好である。

主要生産国・地域別をほぼ軒並み引き上げ。この結果、中国は前回報告で前年比4.4%減予想だったのが0.9%増、インドは横ばいから2.5%増とそれぞれ前年比プラスの見方に転じた。米国、欧州連合（EU）、ロシアは前年割れの見方を続けるものの、やはり従来見通しより高めの見方になった。全体で3.6%減少とみる。

2009/10年度世界消費見通しを100万トン引き上げ6億4200万トンとした。2008/09年度推定を逆に100万トン引き下げ。この結果、 2009/10年度の消費は前回報告で前年比0.2%減の見方だったのから 0.2%増にシフトである。食用で前年から1.1%伸びて4億5200万トンとなることを見込み、これも100万トンの上方修正。飼料向けでは7.2%減の1億300万トンとの予想を維持した。

2009/10年度の世界小麦貿易量は1 億1300万トンになると予想している。200万トンの下方修正。また、2008/09年度の推定を1億1800万トンから1億3600万トンに引き上げ、このため、2009/10年度には前年度に比べて16.9%と従来より大きなマイナスをみている。

輸出サイドでは、2009/10年度のアルゼンチンを前回報告時の半分以下となる300万トンに下方改定し、前年から7割近く落ち込むことを見越す。カナダも引き下げて前年割れの見方に転じた。反面、米国、EUはそれぞれ100万トンの上方修正。

期末在庫見通しは1億6200万トンから1億8300万トンに改定した。前年比12.3%増をみる。