2009年10月09日(金)
8月貿易収支は307.1億ドルの赤字、予想下回る
[経済指標]
米商務省が発表した8月の貿易収支は307億1000万ドルの赤字となった。市場予想を下回る。前月から3.58%、3ヶ月ぶりの減少。7月の赤字は速報の319億5900万ドルから318億5000万ドルに改定。貿易赤字は年初からあわせて 2379億7400万ドルで、前年同期から51.56%縮小した。
8月の輸入が0.57%減り、これも3ヶ月ぶりのマイナス転落である。モノの輸入が0.63%ダウン。カテゴリー別で落ち込みが目立ったのが工業品で2.57%減少だ。工業品ダウンの要因は原油。季節調整前で前月から 6.10%減って173億8169万3000ドルとなった。単位価格は6ヶ月続けて上がり64.75ドル。しかし、買い付け規模が一ヶ月前を9.40%下回り、日量865万9000 バレルと3ヶ月ぶりの水準に落ちた。原油は季節調整後でも工業品で最も減少幅が大きい。このほか、液化石油ガス、燃料オイルも前月より減り、またアルミや銅もダウン。
消費財が1.99%のマイナス転落となり、食品・飼料・飲料が1.90%、2ヶ月連続減少した。資本財も0.22%減で、民間航空機、コンピューター、民間機エンジンが減少幅で上位3位を占めている。自動車関連だけ8.64%増加した。3ヶ月連続プラスでもあり、ただし、前月の伸び率2割強と比べるとペース鈍化になる。サービス輸入は0.34%、3ヶ月ぶりに前月からダウンだった。
輸出は一ヶ月前から 0.18%増加した。4ヶ月連続プラス。ただし、前月の2.50%より著しく伸び悩んだ。モノの輸出が0.04%増と辛うじて5月からの増加基調を維持。カテゴリー別でもまちまちだ。工業品が3.76%、4ヶ月連続アップとなった。食品・飼料・飲料は1.24%のプラス転換。8月のカテゴリー別では自動車関連の7.30%が最も高い伸び。ただ、これは前月に2割を超える増加だったのと比べるとペースは鈍い。一方、資本財4.09%、消費財1.17%とそれぞれ減少。民間航空機やコンピューター関連、工業用機械、また、消費財なら美術骨董、宝飾品などのマイナス幅が特に大きい。サービス輸出は0.48%増加した。3ヶ月連続増も、伸び率は前月の約半分だ。
物価上昇を考慮した実質値(リアルマネー)ではモノの赤字が前月比2.73%減の376億9700万ドルだった。非石油が10.21%減少した一方で、石油関連は2.56%のプラス。
国別で赤字最大の対中国が202億3100万ドルとなった。前月の204億1700万ドルから縮小に転じた。反面、日本とのギャップは38億8700万ドルから43億3800万ドルに拡大。メキシコも前月の29億3400万ドルを上回る39億5000万ドル。逆にドイツとのギャップは32億4000万ドルから21億4800万ドルに縮み、メキシコと3-4位の順位が入れ替わった。石油輸出国機構(OPEC)に対する赤字は63億6900万ドルで、前月の69 億4800万ドルより縮小した。
Posted by 直