2007年01月30日(火)
石油製品の備蓄も検討、米エネルギー省高官
[エネルギー]
米エネルギー省高官は29日、ニューオリンズで開かれた会議で、ブッシュ大統領が一般教書演説で打ち立てた戦略備蓄原油の積み増し計画には、ガソリンや暖房油など石油製品の備蓄も含まれることを明らかにした。
当面の計画では3月から日量10万バレルのペースで積み増しを開始、現金買い付けによる積み増しはハリケーンカトリーナの際に放出した1,100万バレル分を埋め合わせるまで続けられる。次に、7月からは国内油田の採掘権料の支払いを備蓄積み増し目的の原油で行うことが出来るプログラムを開始。日量5万バレルのペースで追加積み増しを始め、現在の貯蔵容量である7億2,700万バレルに達するまで続けるという。積み増しペースは最大9万バレルに速まる可能性もある。
貯蔵容量が10億バレルまで増えるのは、早くてもミシシッピ州に計画中の新規施設が完成する2011年以降。ここでは従来の軽質油や重質油だけでなく、カナダのオイルサンドからの供給も念頭に超重質油の備蓄も可能になるという。その後、15億バレルまで容量を増やすことになるが、新たな備蓄施設は西海岸か東海岸の、現在施設が集中するメキシコ湾岸から遠く離れた場所に建設されるという。現在、ロッキー山脈以西に備蓄の貯蔵施設は存在しない。
更に、備蓄のうち5億バレルはガソリンやディーゼル燃料、暖房油といって石油製品になるという。備蓄の6割が石油製品である欧州と違い、米国では北東部で暖房油の貯蔵施設があるだけで、備蓄のほとんどが原油。これはハリケーンカトリーナで多くの製油所が閉鎖した際、原油備蓄の放出があまり役に立たなかったことの反省に基づくものと見られる。
Posted by 松