2009年11月05日(木)
米小売チェーン販売、2ヶ月連続で改善
[金融・経済]
米小売大手各社が5日に発表した10月の販売結果には全般に改善がみられた。気温低下で冬物衣料の需要が高まったこと、比較対象である前年同月の不振で売り上げが上向きやすかった。また、必需品以外の消費には抑制傾向が根強いこともうかがえる数字は少なくない。それでも、景気が最悪期を過ぎ、住宅価格や株価も上がり始めていることから、消費意欲もやや上向いてきていると受け止める空気も出ている。
国際ショッピングセンター協会(ICSC)が各社データをまとめた結果、10月の既存店売上高は前年同月比2.1%増加した。昨年10月に4%以上落ち込んだのから著しい改善。市場予想も大きく上回った。また10月はこれで2ヶ月連続アップとなり、伸び率は9月以上でもある。
冬物衣料の需要増加による効果があるが、同時に低価格志向も根強く、このため特に価格設定が低めのアパレルチェーンが明るい報告となっている。ギャップが 5.9%増と予想も上回る伸びであり、背景にあるのが低価格カジュアルを手掛けるオールド・ネイビーの販売好調だ。会員制ホールセールのコストコが 2.3%のプラスで、やはり消費者が価格に敏感なことを示す。ディスカウントのターゲットは0.1%減だが、事前予想ほど落ちなかった。
また、高級百貨店に回復の兆しがみられ、住宅価格や株価など資産価値の改善を反映しているといえる。サックスは0.7%増で、市場の3.6%減予想を覆した。ノードストロームは6.5%増えて、平均予測の2倍を超える伸び率だ。
Posted by 直