2009年11月06日(金)
10月非農業雇用数は前月から19.0万人減少、予想上回る落ち込み
[経済指標]
米労働省が発表した10月の非農業雇用数は前月比19万人減少した。昨年1月から22ヶ月連続ダウン。10月は前月の21万9000人よりマイナス幅縮小だが、市場予想は上回る落ち込みだ。なお、9月の前月比は速報の26万3000人減から改定。また、8月の減少数が従来推定の20万1000人から15万 4000人に縮み、これは昨年7月以来の小幅マイナスを記録していた格好になる。
10月の政府雇用が前月比横ばいだったため、民間だけでも19万人減だった。前月の17万9000人(修正値)以上、3ヶ月ぶりの大きな落ち込みになる。民間雇用もまた昨年1月から増加したことがない。
鉱業や建設を含めた製造全体の雇用が12万9000人ダウンとなった。前月を上回る減少で、このうち鉱業が6000人ダウン。前月の1000人(修正値)からマイナス幅が大きくなった。製造業だけなら6万1000人減り、こちらは4ヶ月ぶりの大幅ダウン。耐久財が4万4000人のマイナスとなり、また非耐久財は前月より1万人以上多い1万7000人減少だった。
耐久財、非耐久財ともに製造業の大勢が前月を下回った。中でも機械や非金属鉱物メーカー、ハイテク関連の削減が目立つ。一方で、自動車及び部品メーカーが4600人、3ヶ月ぶりのプラス転換。飲料・たばこメーカーも400人増え、皮革メーカーが前月と同水準だった。
建設は6万2000人減った。28ヶ月連続ダウンだが、減少数は前月より6000人少なく、10月は今年5月以来の小幅マイナスである。住宅建設で5600人減と前月を下回る落ち込みで、商業用が3200人、5ヶ月ぶりの小幅減だった。
サービス業は6万1000人落ちた。9月に2ヶ月ぶりの10万を超える減少だったのを下回り、民間だけでも前月より小さいマイナス幅である。小売が3万 9800人ダウン。その中でも、家具や健康関連、ガソリンスタンド、衣料品といった小売の雇用は前月より増えた。金融は8000人減り、金融機関では前月以下のマイナス幅だったが、不動産関連で前月を上回る需要ダウンである。美術・娯楽が2万1900人と6ヶ月ぶりの大幅マイナス。しかし、ホテル・外食サービスは前月を下回る1万5000人減だった。
サービス業では教育、医療の堅調な需要とともに、プロフェッショナルサービスが2ヶ月連続アップとなった。しかも、1万8000人と2007年12月以来の大幅増。事務関連の伸びが中心だが、このほか建築、コンピューターシステムデザイン、経営コンサルティングも前月比プラス。また、このカテゴリーに入る短期派遣が3万3700人増えた。8月と9月のデータ改定により、昨年1月から今年7月まで減少を続けて、8月から3ヶ月増加。しかも、10月は伸びペースが著しく速まって2007年10月以来、ちょうど2年ぶりの大幅プラスである。
政府雇用に関すると、連邦政府で1万6000人増加した。前月の2000人増から大幅拡大。しかし、州政府で前月から増減なし、地方自治体が1万6000人、5ヶ月連続マイナスだった。ただし、自治体の雇用削減は前月より鈍化している。
週間平均労働時間は前月と同じ33.0時間だった。市場の増加予想に反して、2ヶ月続けての過去最少だ。時間あたり賃金は18.72ドルだ。前月比 0.27%上がり、前月から上昇ペースが速まった。市場予想も上回る。しかし、前年同月と比べると2.41%、2004年9月以来の低い伸びとなった。
Posted by 直