2009年11月16日(月)
FRB議長、2010年の緩やかな経済成長と落ち着いた物価見通し維持
[要人発言]
米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は16日の講演で、2010年の緩やかな経済成長と落ち着いたインフレを引き続き見込んでいることを明かした。金融市場の幅広い改善、また最終需要に回復サインがみられるためという。
ただし、目先はまだ試練が残ると慎重姿勢も保つ。経済活動がまだ弱く、失業率は高すぎるとコメント。景気回復にブレーキがかかるリスクがあることにも認識を示し、また景気拡大の再開でも失業率を著しく下げることはないだろうという。融資蓋然として抑制されていることもマイナス要素として挙げた。
議長は物価にしても、最近の商品相場上昇にかかわらず当面、安定するとの見方だった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明にあった超低金利政策の長期継続シナリオも繰り返す。反面、FOMCの見通しはあくまでも見通しであり、経済情勢やシナリオ変化で金融政策の見通しもシフトすることを強調した。利上げへの準備も用意しているとのことである。
バーナンキ議長はこのほか、珍しく為替に言及し、ドル高を支持する発言をした。FRBの最大限の雇用拡大と物価安定を目標とする政策はドル高を確実にし、さらに国際金融の安定化にもつながるという。このため、ドルの動向を注視しているとした。
Posted by 直