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2010年03月25日(木)

IGC、2010/11年度世界小麦生産見通し下方修正
  [穀物・大豆]

国際穀物理事会(IGC)は25日に発表した世界穀物需給の月次報告で、2010/11年度の世界小麦生産が前年比2.52%減の6億5800万トンになるとの見通しを発表した。前月時点での予測より100万トン下方修正。欧州では冬の間の気温が高めだったものの、旧ソ連や米国の主要生産地では気温低下で春小麦の作付が遅れたと指摘。カナダでも前年割れの見通しという。このほか、降雨が中国、近東アジアや北アフリカでの生育に寄与し一方で、インドは高温乾燥に見舞われたことを記している。2009/10年度の生産は前年比1.60%減の6億7500万トンで据え置いた。

2010/11年度世界小麦消費見通しは6億5600万トンとしている。2009/10度を100万トン引き上げて前年比0.63%増の6億4400万トンに改定。次年度には食用から飼料向け、工業用揃ってさらに増え、過去最高を更新するのを見込む。特に、欧州では飼料向けやエタノール生産で大きく伸びる見通しとした。

貿易については、2009/10年度分を1億2000万トンから1億2100万トンに上方修正し、2010/11年度は前年比横ばいの予想。近東アジアによる製粉用小麦輸入が縮小する見通しであるが、北アフリカの需要増加で相殺するという。欧州連合(EU)は圏内の潤沢な在庫から中級以下の輸入を細らせる見通し。

期末在庫見通しは2009/10年度を1億9700万トンで保ち、2010/11年度に1億9900万トンに膨らむのを見越す。中国とインドの在庫拡大を中心に9年ぶりの高水準になるという。

IGC は、2010/11年度のコーン作付について欧州と米国で天候要因から遅れる可能性があると指摘した。それでも、米国では春小麦より採算性が高いことから大幅増反の予想であり、世界全体で前年比約2%増加し、1億5600万ヘクタールと過去最高を更新するのを見通す。

このほか、 2009/10 年度の世界コーン生産推定を300万トン引き上げて8億トンとした。前年比0.76%増の見方である。アルゼンチンと南アフリカが天気に恵まれていることを理由に挙げている。

2009/10 年度コーン消費推定は8億800万トンとした。100万トンの上方修正で、前年比は3.59%増加の見方。エタノール生産で力強い伸びが予想されるほか、デンプンメーカーの需要改善の予想でもあるという。飼料向けはでは可処分所得の減少による影響懸念があることを認識ながらも、増加基調を続ける国もあるとの見方。

貿易を従来予測から100万トン引き下げ、前年比横ばいの8400万トンに改定した。メキシコやサウジアラビアの輸入スローダウン、米国の輸出見通しも一段と下方修正したと説明。しかし、アルゼンチンの販売が上向く見通しであることも取り上げた。

期末在庫は1 億4200万トンと見通す。200万トンの上方修正で、輸出低調や米国の在庫が4年ぶりの高水準になる見通しを理由にしている。しかし、前年度の1億 5100万トンは下回る見方を維持した。

Posted by 直   

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