2007年03月07日(水)
追加利上げが必要になることもある、シカゴ連銀総裁
[要人発言]
シカゴ連銀のモスコウ総裁は7日、シカゴで講演を行い、インフレが加速するリスクは依然として気減速のリスクよりも大きく、追加利上げが必要になることもあるとの見方を示した。
このところの金融市場の混乱については、市場の大幅な変動が目先の景気見通しを不透明にさせる懸念を表明。また直近の経済指標は強弱入り混じる内容としながらも、全体的にはやや弱気の内容となっているとした。年初には成長の減速を指摘する声も多かったが、最近は持ち直しの兆候が見られるとの見方に変わりつつあるという。景気見通しを変える必要はなく、今後も潜在成長率に近いペースで成長を続けると分析、最終的にインフレ圧力となる可能性があるとした。
住宅市場については、この先更に悪い数字が出る事も考えられるが、特に冬場は数字の振れが大きく、あまり悪く取り過ぎないようにしなければならないとした。サブプライム・ローン市場の信用不安問題は、貸し手や住宅所有者に予想以上の影響を与える可能性はあるが、こうしたローンに対するリスクを貸し手は十分に承知しているはずだとしている。
インフレについては、最近の指標はやや良くなってきており、エネルギー価格の下落がインフレの加速を抑制していると分析。しかしインフレリスクは依然として非常に高く、目先のインフレ見通しが実際の価格に反映する可能性もあると指摘した。インフレが目先の懸念にならないとするには、明らかに時期尚早だという。
モスコウ総裁は今年度のFOMC投票メンバーだが、8月末で引退する予定。
Posted by 松