2007年03月07日(水)
穏やかな経済成長が続く、ベージュブック
[金融・経済]
連邦準備制度理事会(FRB)は7日、地区連銀経済報告(ベージュブック)を発表した。
地区連銀の多くは前回の報告以降、穏やかな経済成長が続いているとしたが、いくつかは減速の兆候があると指摘している。ニューヨークでは成長が維持されているものの、減速の兆候がいくつか見られ始めたと報告。セントルイスでも以前より成長のペースが鈍ったとしている。ボストン、ダラスも同様の報告をする一方、フィラデルフィアではやや状況が良くなったとした。
小売業は全体的に堅調なものの、自動車販売は依然として非常に悪い。観光業は基本的に好調、サービス業への需要はほとんどの地区で伸びている。特にヘルスケア、会計、法律、テクノロジー関連が強いという。製造業の活動は、建設業と自動車関連を除き堅調、または拡大している。住宅市場は依然としてほとんどの地区で軟調だが、いくつかでは安定する兆候が見られるという。一方、商業不動産はは引き続き好調さを維持している。
ローン市場は前回の報告から特に変化はなく、企業向けローンの伸びが住宅ローンの低迷を相殺している状況だという。ただニューヨーク、リッチモンド、アトランタでは住宅ローンの支払い遅滞が増えており、アトランタとシカゴではサブプライム・ローン市場で信用の低下が認められるという。セントルイスでは商業不動産分野で、ニューヨークでは全てのローンで信用調査が厳しくなっている。
労働市場については、ほとんどの地区で熟練技術者や専門家が不足している。様々な職種への需要が増えており、いくつかの地区では賃金上昇圧力が若干高まっている。物価上昇圧力についてはほとんど変化は見られない。エネルギーや建設関連の価格が下がる一方、いくつかの地区で食料品のコスト増が報告されている。
Posted by 松