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2007年03月21日(水)

欧州経済は引き続き力強く成長、ECB総裁
  [経済指標]

ECBのトリシエ総裁は21日、欧州議会の経済金融委員会で証言を行い、欧州経済は引き続き力強く成長しているとの見方を示した。ECBは中長期的な価格上昇リスクが存在することを注視しているとした上で、3月8日に行った0.25%の追加利上げによってインフレ見通しは価格安定を維持できる水準に保たれたとの認識を示した。もっとも金融政策は依然として緩和的とも述べており、将来の追加利上げに含みを持たせている。

欧州経済については、今後も堅調に成長すると予想。世界経済は地域ごとのバランスが取れてきており、やや勢いは衰えたものの依然として力強く成長していると分析、欧州の輸出を下支えしているとした。域内の需要については比較的強い勢いを維持するとし、好調な投資が好ましい金融環境を作り出しているとした。GDPは07年が2.1%-2.9%、08年が1.9%-2.9%の間になるという。景気の下振れリスクとしては、石油価格の再上昇、保護主義の台頭、国際収支の不均衡拡大などを挙げた。

物価については、エネルギー価格の変動が短期的な見通しに大きく影響すると指摘。インフレは春から夏にかけて低下するものの、年末に賭けては再び年2%以上に上昇するとした。消費者物価(HICP)の予想は07年度が1.5%-2.1%、08年度が1.4%-2.6%。

中長期的な物価見通しについては、価格上昇のリスクが残るとした。上昇要因としては石油価格の上昇や管理費の上昇、間接税の更なる引き上げなどを指摘。更には現在のようにGDPの成長に勢いがある状況では賃金上昇が予想以上に進み、大きなインフレリスクになる恐れがあるとした。ECBは引き続き労使間の賃金引上げ交渉の推移を注意深く見守っていくという。

マネーについては、M3の伸びが1月も9.8%とユーロ導入以来の最高水準にあることを指摘、価格上昇リスクになっているとした。民間のローンの伸びも1月は10.6%と高水準、2004年半ばからの上昇傾向が続いているという。マネーと信用が力強く伸びた結果、欧州圏の流動性はどのような指標を見ても豊富にある状態となっており、中長期的な価格上昇リスクにつながるとした。

Posted by 松   

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