2007年11月19日(月)
ミネアポリス連銀総裁、住宅市場の更なる弱含みを予想
[要人発言]
ミネアポリス連銀のスターン総裁は19日に訪問先のシンガポールで記者団に対し、需給だぶつきの継続による住宅市場の更なる弱含みを見越していることを明かした。総裁は住宅ストックが膨れ上がったままであり、また、向こう数四半期はまだ差し押さえの増加も続くとコメント。ただし、雇用と所得は増加基調を維持し、個人消費の下支えとなるとの見方も示した。
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英国の小麦品質は前年より低下・HGCA
[穀物・大豆]
英穀物局(HGCA)は19日、北アイルランドを除く英国の2007年度小麦の品質が前年比マイナスとの調査報告を発表した。ハグベルグ試験によって得た平均値(フォーリングナンバー)は239で、前年度より55ポイント低い。ただし、過去3年平均との比較では4ポイント下がっただけともいう。小麦の容積量は75.6キログラム。前年比0.8キロ、過去3年平均と比べて0.3キログラムそれぞれ下がった。たんぱく質の含有率は12.2%。前年を0.4ポイント下回り、過去3年平均からは0.3ポイント低下となる。
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07/08年度のアルゼンチン小麦一部で降霜被害・取引所
[穀物・大豆]
アルゼンチン・ブエノスアイレス穀物取引所は19日に発表した週次報告で、2007/08年度の小麦の一部に降霜被害が出ていると伝えた。霜が降りたのは中部および南部。取引所は16日時点での作柄について73%良好とし、これは前週の75%から低下である。しかし、ダメージは限られ、収穫見通しへの影響はないともいう。現時点で10.%の小麦刈り入れが終わった。前週から2ポイント進んだが、前年同期に比べると4.1ポイント低い。
大豆作付は気温低下と乾燥が影響して進まなかったという。このため、作業は前年同期から1.5ポイント遅れていると報告。
コーン作付進捗率は16日時点で77.2%とした。一週間前から1ポイントも進まなかった。しかし、前年より6.2ポイント高く、これは前週とほぼ同じペースである。コーンも中部と南部で降霜ダメージが発生した可能性があり、作付のやり直しは必至とコメント。種子の不足が起きかねないともいう。
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エコノミストの景気見通し、来年の成長率予測引き下げへ・NABE調査
[金融・経済]
全米ビジネス経済協会(NABE)が19日発表した四半期ごとの景気見通し調査によると、エコノミストの間で来年の成長率予測を引き下げる動きが大勢となったようだ。50人のエコノミストを対象にした調査では、2008年実質国内総生産(GDP)予測が前年比2.5%増。前回調査での2.8%から下方修正である。住宅投資について前回調査で2.0%減の見方だったのが16.3%落ち込むと慎重感が強まり、また経済全体でも成長ペースが鈍るのを見込む格好である。また、個人消費伸び率見通しが2.5%から2.3%、企業の設備投資は4.7%から4.4%にそれぞれ改定となった。
一方、来年の政府支出は1.9%増と予想していたのが2.2%とやや高めの伸びを見越すようになった。輸出も従来以上に輸入を上回るペースで増えるとみている。物価については個人消費物価コア指数を10-12月期ベースでみて前年比2.0%から1.9%に小幅ながらも伸び率予測は引き下げとなった。金融政策に関しては、来年いっぱい現行の年4.5%を維持するとの見方である。前回の調査では来年3月に0.25%引き下げ、その後年内据え置きの予想となっていた。
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10月の中国精製糖生産、前年比12.8%減・統計局
[砂糖]
中国国家統計局が19日に発表したによると、10月の国内精製糖生産は前年同期比12.8%減の22万3000トンとなった。年初からの累計では前年を41.1%上回る918万トンという。
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2007年11月16日(金)
OPEC、サミットで生産がらみの声明は見送りへ
[エネルギー]
石油輸出国機構(OPEC)高官は米通信社ダウ・ジョーンズに対し、OPECがサミット共同声明で石油生産枠の変更に触れることは見送ることで合意したことを明かした。生産枠については12月の総会で話し合う方針を維持したという。一方、声明では産油国に対する制裁と受け止められるような法案は市場やエネルギー保安を脅かすことを指摘する模様。こうした声明は米国への牽制とも取れると報じられている。
また、イランとベネズエラの強い要望にもかかわらず、ドル安に関する声明は出さないことを決定。その代わりに世界市場の安定化と持続的なエネルギー開発、環境の3つの目標を取り上げるようで、環境関連では二酸化炭素排出規制は環境だけでなく保安面でも考慮する必要があることを強調。もっとも、温暖化問題に懸念を示すとしながらも具体的な対策には言及しない方向にある模様である。
このほか、石油価格の変動や投機筋の影響についての懸念はOPECも共有しているといい、生産者にも消費者にもマイナスとなる短期の価格変動を抑える対策を講じることを支持する見通し。
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セントルイス連銀総裁、12月の利下げを疑問視
[要人発言]
セントルイス連銀のプール総裁は米通信社ダウ・ジョーンズとのインタビューで、12月の追加利下げ実施を疑問視していることをみせた。具体的な経済見通しを明かすことは避けながらも、大勢が警戒している来年の回復の前に景気がさらに弱含むとのシナリオには同意を示し、これは過去2回の利下げにも織り込み済みのことを指摘。10−12月期の経済指標が極めて弱く、来年について現時点での見通し以上に警戒を強めるような内容でない限り利下げの可能性が小さいとの見方である。
総裁は住宅セクターや証券化商品に関連した問題、またさらなる情勢悪化となり得ることも認識ながら、金融不安の解消に向かっていると自信をみせた。銀行が融資を大きく制限しているわけではなく、一方で金融市場のリスクプレミアムが下がり始めていることを理由にしている。
総裁はまた、景気後退入りのリスクはあるが、実際に起きる可能性は小さいとコメント。インフレは低水準で落ち着いているといい、今週発表された生産者及び消費者物価統計が自身の見解を裏付けていると述べた。
総裁は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーを務めており、9月と10月の会合では利下げ賛成票を投じた。
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加調査機関、07/08年度穀物・輸出在庫見通し引き上げ
[穀物・大豆]
調査機関アグリカルチャー・アンド・アグリフード・カナダ(AAFC)は2007/08年度の国内穀物・油種期末在庫の見通しを引き上げた。小麦やコーン、大豆など8つの主要作物在庫最新予測は1061万トンで、先月12日の報告で1051万トンと見通していたのから100万トン多い。前年比較で18.5%減少の見方。生産見通しは前年比1.6%減の6084万8000トンで据え置いた。輸出見通しも前回報告での14.4%の2744万トンを維持。国内消費は3861万7000トンから3841万7000トンに引き下げた。前年から0.8%増の見方となる。
個別でも生産推定に修正はなかった。輸出は小麦をやや引き上げ、一方でカノーラを下方修正した。国内消費に関すると、上方修正となったのがカノーラ。小麦はやや少なめの見方にシフトした。期末在庫は小麦を20万トン引き上げ。コーンや大豆は据え置いた。
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ISO、07/08年度の世界砂糖市場の供給過剰見通し上方修正
[砂糖]
国際砂糖機関(ISO)は16日、2007/08年度の世界砂糖市場は1110万トンと過去最高の供給過剰になるとの見通しを発表した。これは8月時点での予測から30万トン引き上げでもある。生産を前年比2.6%増の1億7030万トンとみており、こちらも従来見ていた1億6960万トンから上方修正。消費予測についてはこれまでの1億5880万トンから1億5920万トンに改定し、前年比較で2.7%増の予想となった。
ISOはまた、200/09年度に需給のだぶつきにブレーキが掛かる可能性があるとの見方も示した。消費を2%強増加して1億6300万トンと予測。一方インドの生産に関しては、2年連続して大量生産となったために供給過剰が進み、経営危機に陥った業者もあることを指摘し、白糖ベースで2300万トン減少するかもしれないという。その場合、粗糖ベースでは世界供給が800万トン削減されると見積もる。
また、欧州連合(EU)では新たな砂糖政策のもとで200万-400万トンの減産と予想しており、インドとあわせて需給改善につながり得ることを挙げた。ただ、ブラジル、オーストラリア、東欧で生産が増える可能性があるともいう。
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大規模油田発見によってOPEC加盟検討の可能性も、ブラジル大使
[エネルギー]
ブラジルの駐サウジ大使は16日、OPECサミットの会場でダウジョーンズのインタビューに答え、テュピ油田で国内最大の石油埋蔵が発見されたことによる石油輸出の可能性を検証した上で、OPECへの加盟の是非を検討する考えを示した。今後半年から1年の間に具体的な方針を決めるという。
同国では先週、超深海にあるテュピ油田において、原油換算で80億バレルに上る埋蔵を確認したことを明らかにしていた。国営石油ペトロブラスによると、新油田からの生産は日量20万バレルに達する可能性があり、2010年から2011年の間には試掘によって日量10万バレル程度の生産が可能になるという。ブラジルは現在石油輸出を行っていないが、テュピ油田の発見により、2015年ごろには日量100万バレル程度の輸出を行う余力が出来るとの見方もある。
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