2008年08月12日(火)
原油価格下落でインフレ懸念後退・地区連銀総裁
[要人発言]
ミネアポリス連銀のスターン総裁は12日に米テレビCNBCとのインタビューで、最近の原油価格下落が足元のインフレおよびインフレ見通しの上昇懸念を後退させていると述べた。一方、景気回復が本格化するにはしばらく時間がかかるとコメント。総裁は景気拡大を確信出来次第、利上げ実施の必要があると飲み方を繰り返しながら、現時点で野金利引き上げには消極的な姿勢をみせた。
スターン総裁は今年の米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーである。5日の会合ではフェデラルファンド金利誘導目標水準を年2%で据え置くことを支持した一人である。
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USDA需給:コーン在庫は予想上回る上方修正、大豆は引き下げ
[穀物・大豆]
米農務省が12日に発表した8月の需給報告によると、08/09年度の米国内小麦需給は、生産が24億6,200万ブッシェルと前月から100万ブッシェル強の引き上げとなった。硬質赤色種が1,500万ブッシェル引き上げられる一方、白色種、春小麦、デュラム小麦の生産は引き下げられた。需要面では飼料および残余がコーンをはじめとした他の飼料供給が増加したことにより3,500万ブッシェルの引き下げとなり、これを受け期末在庫は5億7,400万ブッシェルと3,700万バレル引き上げられた。在庫率は25.0%まで回復している。
コーン需給は生産が前月から5億7,300万ブッシェルの大幅引き上げ、7月以降生育に適した天候が続いたことを受け、イールドが1エーカー155.0ブッシェルまで一気に6.6ブッシェルも引き上げられたのが背景にある。これが実現すれば生産は前年に、イールドは04/05年度に次ぐ過去2番目に高い水準となる。需要面では価格下落を受けてエタノール需要が1億5,000万ブッシェル引き上げられたほか、飼料および残余も1億ブッシェル引き上げられた。エタノール需要は07/08年度も5,000万ブッシェル引き上げられている。08/09年度の期末在庫は11億3,300万ブッシェルと前月から3億ブッシェルの上方修正、在庫率は8.9%まで回復した。イールド、在庫とも市場予想を大きく上回っており、かなり弱気のサプライズと見て良いだろう。
大豆需給は生産が29億7,300万ブッシェルと前月から2,700万ブッシェルの下方修正。イールド見通しが1エーカー40.5ブッシェルと1.1ブッシェル引き下げられたことが主な要因で、これは市場予想もかなり下回った。USDAではこれまで過去の傾向に沿ったイールド推定を行っていたが、今回より現地調査に基づいた見通しに切り替えている。需要面では国内圧搾需要が1,500万ブッシェルの引き下げ、期末在庫は1億3,500万ブッシェルと500万ブッシェル引き下げられ、前年度と同じ水準となった。大豆の作柄は今後も天候に影響される可能性が残っており、イールドが当初の推定ほど高くなかったことは強気のサプライズとなりそうだ。
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IEA、08年度の世界石油需要の伸びを下方修正
[エネルギー]
国際エネルギー機関(IEA)は12日に発表した月報で、08年度の世界石油需要を日量8,690万バレルと推定した。前年からの伸びは前月より10万バレル引き下げたものの、依然として前年比プラスの見方を維持している。米国の需要は今年度が前年比3.1%、09年が 2.0%減少すると予想する一方、中国をはじめとした新興国の需要は依然として好調だという。在庫は消費の53.4日分をカバーしている。
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6月貿易収支は567.7億ドルの赤字、予想大きく下回る
[経済指標]
米商務省が発表した6月の貿易収支は前月比4.11%減少して567億7200万ドルの赤字となった。市場の赤字拡大予想に反して2ヶ月連続の縮小で、しかも3月以来の大幅ダウン。また、5月は速報段階での597億9000万ドルから592億400万ドルに下方修正となった。今年上半期の貿易赤字は 3513億9400万ドルで、これは前年同期を1.94%下回る。
輸出が4.04%増え、このうちモノが前月を5.14%上回った。いずれも3ヶ月連続プラス、また伸び率は2004年2月以来の高水準だ。項目別では飲食品・飼料と工業品がそれぞれ8%を超える増加で、今年最大の伸びを記録した。自動車関連と消費財は揃って5%超増え、2ヶ月ぶりの高い伸び。資本財は3.01%、2ヶ月ぶりのプラス転換である。サービス輸出は前月を 1.44%上回った。5ヶ月続けての前月比プラスだが、前月よりやや伸び悩んだ。
輸入は1.82%増えた。輸出に比べて鈍い伸び。しかし、輸入だけでみれば3ヶ月連続増加であり、また前月以上の伸びペースである。モノが1.98%とやはり2ヶ月ぶりの大幅アップ。最も輸入が進んだのが工業品であり、これはエネルギー関連の拡大が背景にある。原油も季節調整後では前月比マイナス。ただし、原油輸入は季節調整前で11.54%増加した。4月以来、今年2回目の1割を超えるプラスである。買い付け規模は日量991万8000バレルで今年3番目の高水準。前月より6.12%増えた。単位価格は 117.13ドルと再び史上最高値を更新した。
モノの輸入では自動車関連も0.29%増え、これは前月の減少から回復である。しかし、資本財が3.44%、自動車1.88%といずれも今年最大の落ち込みだ。消費財も前月割れである。
サービス輸入は0.96%増加した。6ヶ月連続プラスだが、前月よりやや伸び悩んだ。
物価上昇を考慮した実質値(リアルマネー)ではモノの赤字が前月比10.26%減の466億7900万ドルだった。石油関連が0.90%増え、しかし非石油は1割を超える減少。
国別で赤字最大の対中国が214億3000万ドルとなり、前月の210億4900万ドルから1.81%膨らんだ。対日や対カナダも拡大し、しかしメキシコとのギャップは縮小。石油輸出国機構(OPEC)に対する赤字は1.87%増えた。前月に2ケタ増となったのと比べてペースは鈍く、OPEC加盟国別でもベネズエラやナイジェリアとの不均衡は進んだが、対サウジアラビアでは縮んだなどまちまち。
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グルジア領内でBTCパイプラインに対する攻撃ない、BP
[エネルギー]
BPの関係者は12日、カスピ海の油田とトルコの輸出港シェイハンを結ぶBTCパイプラインについて、現時点ではロシアからの攻撃を受けた形跡はないことを明らかにした。BTCパイプラインは南オセチアを巡ってロシアとの緊張が高まっていたグルジアの領内を通過するため、ロシア軍の攻撃対象になるのではとの懸念が高まっていた。ロシアのめどベージェフ大統領は既にグルジアとの停戦を表明している。なお、BTCパイプラインは日量100万バレルの輸送能力を持っているが、現在はトルコ領内で先週発生した武装勢力の攻撃によって一部が稼動停止している。
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2008年08月11日(月)
米エコノミスト、2008年半ばまで鈍い景気拡大見通し・ブルーチップ
[金融・経済]
米経済ニュースレター「ブルーチップ・エコノミック・インディケーター」最新版は2007年半ばまで鈍い景気拡大の見通しを示している。エコノミスト50人の2008年経済成長率見通しは中央値で1.6%。また2009年は1.5%となった。
四半期ごとでは今年7-9月期が1.2%増、10-12月期には0.3%増と大きく伸び悩む見方である。来年の成長率見通しは1-3月期に1.1%、4-6 月期に2%。7-9月期に2.5%前後の伸びを見込んでいる。このほか、エコノミストの56%が現在景気後退もしくはリセッション入り目前とみているという。
物価については、消費者物価指数で今年4.4%上昇し、来年には2.9%伸びる見通しとなった。現行の伸び率5%からスローダウンするのを見ている格好だ。
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ベトナムコーヒー、暴風雨による被害は現時点でなし・コーヒー協会
[コーヒー]
ベトナムコーヒー協会幹部は11日、国内の主要コーヒー生産地で暴風雨による被害報告は今のところ聞かれないと述べた。地元では洪水や地滑りが発生し、コメなどがダメージを受けたと報じられている。
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フランス政府、2008/09年度軟質小麦生産見通し引き上げ
[穀物・大豆]
フランス農林水産省は11日、2008/09年度軟質小麦生産見通しを前月時点での3664万1000トンから3701 万2000トンに引き上げた。最新予測は前年比20.2%増、また過去5年平均と比べると11.8%増加の見方という。同省はこのほか、コーン生産が 1459万2000トンになるとの初回見通しを発表。前年度を0.4%と辛うじて上回り、しかし、5年平均との比較では4.9%増加の見方である。 2008/09年度の全穀物生産は前年比15.8%増の6888万2000トンと見通す。これは5年平均比較で10.8%のプラスになる。
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インド国内砂糖販売枠、8-9月分50万トン追加
[砂糖]
インド政府は11日、8月と9月の国内砂糖販売枠に50万トン追加したことを明かした。この結果、8月は従来の 90万トンから110万トンとなり、残る30万トンが9月枠にあてられる。国内の販売枠は四半期ごとに政府が設け、7-9月期は300万トンとなっていた。しかし、供給不足に伴う価格高騰、また今月終わりに祭礼シーズンを迎えていることから販売枠拡大につながった。7月は120万トンだった。
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1-3月期の産金業者ディヘッジングは126トン、前期とほぼ同じペース
[メタル]
ゴールドフィールズ・ミネラルサービス(GFMS)とソシエテジェネラルが11日に発表した4-6月期のヘッジブックによると、産金会社のヘッジ量は08年6月末現在1,880万オンス(585トン)と3月末から 406万オンス(126トン)減少した。ヘッジポジション全体の18%が減少した格好となり、1-3月期の128トン、15%から絶対量ではやや減少したものの割合としては増加している。
内訳を見ると、アングロゴールドが84トン減らしたのが目立った。また、ニュークレストマイニングとシノ・ゴールドは全てのヘッジポジションを解消した。21008年のディヘッジングは全体で300トン程度になると見られているが、ここまでに254トン削減している。年後半のディヘッジングのペースは、急速に減速することになりそうだ。
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