2009年06月25日(木)
FRB流動性供給プログラム一部改定、有効期限延長含む
[金融・経済]
米連邦準備理事会(FRB)は25日、流動性供給プログラムの一部改定を発表した。金融市場に改善の兆候が出てきたことを理由にしており、削除や減額となったプログラムなどを含む。
改定により、ターム物証券貸し出し(TSLF)制度にある2つのプログラムを停止するという。また、資産担保証券の貸し出し(TAF)規模を削減。一方、コマーシャルペーパー(CP)関連の貸し出しや、プライマリーディーラー向け、TSLFなど4つのプログラム期限を2010年2月1日まで延長を決定した。ターム物資産担保証券の貸し出し(TALF)期限は今年12月31日を維持するが、TAFに期限は設けないという。外国中銀との為替スワッププログラムの延長も決めている。
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独FOリヒト、2008/09年度世界砂糖生産推定引き下げ
[砂糖]
ドイツ調査会社FOリヒトは25日に発表した 2008/09年度の世界砂糖需給推定で、生産を1億5630万トンから1億4930万トンに引き下げた。前年から12%減少の見方。インドと中国、メキシコ、タイ、パキスタンの生産不振が全体の下方修正に起因したという。
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IGC、小麦在庫推定を前月から引き上げ、コーンは引き下げ
[穀物・大豆]
国際穀物理事会(IGC)は25日に発表した世界穀物需給の月次報告で、2009/10年度の小麦生産見通しを前年比5.09%減の6億5200万トンで据え置いた。欧州とロシアの生育は順調だが、カナダ西部の一部や米国北部での春小麦には気温低下と降雨による影響が及んでいるという。このほか、オーストラリアでは降雨に恵まれながら、アルゼンチンの作付は干ばつ進まないとしている。
2009/10 年度世界小麦消費見通しは100万トン引き上げて6億4400万トンに改定した。2008/09年度分を100万トン下方修正したことから、これまで2009/10年度は前年割れの見方だったのから横ばい見通しにシフトである。
2009/10 年度貿易は1億1200万トンで据え置いた。2008/09 年度の1億2500万トン(修正値)から減少を見越す。アルゼンチン、カナダ、ウクライナの出荷見通しを引き下げ、しかし、ロシアは引き上げたという。。期末在庫見通しは、2008/09年度分を200万トン引き上げ1億6000万トン、2009/10年度分は100万トン上方修正して1億6800万トンとした。
IGCは、2009/10年度の世界コーン生産見通しを300万トン引き下げた。この結果、最新予測は前年比1.79%減の7億 6800万トン。米国では、天候絡みで作付縮小となったが、作柄は前年より好調との見解を示し、生産は前年度を小幅下回る3億200万トンと見越す。欧州については、干ばつによるハンガリーとルーマニアの生産ダウン見通しとした。中国は降雨でイールド改善と指摘。
2009/10 年度コーン消費は前年から1.42%増えて7億8800万トンになるとの見通しだ。400万トンの下方修正で、米国の食肉需要減少が主な理由としている。中国の飼料向け需要は増加見通しで、ほかのアジア諸国弥一部中米でも緩やかな伸びを見込むとのこと。世界の飼料向け消費は前年と同水準の4億700万トン、工業向けで約6%増えて2億トンとの見方だ。米国のエタノール生産は2010年に14%のプラスとなる見通しで、このためコーン需要を900万トン押し上げて1億400万トンにするという。
貿易は8300万トンで据え置いた。前年度分は200万トン引き上げたため、2009/10年度は前年と変わらないとの見方である。アルゼンチンやウクライナの競争力が落ち、米国とブラジルの輸出拡大の可能性があるという。期末在庫見通しは1億 1800万トンぁら1億1700万トンに改定した。前年度分を1億3700万トンとしており、これは前月時点での推定1億3900万トンより低め。
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1-3月期GDP確定値は前期比5.49%のマイナスに上方修正
[経済指標]
米商務省が発表した1-3月期の実質国内総生産(GDP)は前期比5.49%減となった。1974年7-9月期から1975年1-3月期に記録して以来の 3四半期連続減少。ただ、減少率は速報での6.14%から改定値で5.72%に縮小し、さらに上方修正である。市場では修正なしの見方が大勢だった。
貿易赤字が一段と縮小し、GDP上方修正に寄与した。確定値では2968億ドルの赤字で、改定値3026億ドルから引き下げ。GDPへの貢献度は改定値で 2.18ポイントだったのが2.39ポイントに上がった。輸出が30.65%減少。改定値では速報の29.95%から28.73%減に上方修正だったものの、このたび引き下げとなった。しかし、輸入も従来推定の34.06%減少から下方修正となり、36.43%と輸出以上に落ち込んだ。
政府支出は2005年10-12月期以来のマイナス転落だが、改定値3.47%から3.08%と減少幅は上方改定となった。地方政府による支出が2.24% 減で、改定値2.95%より縮小。しかし、連邦政府による支出は改定値の4.34%をやや上回る4.44%のマイナスだった。
在庫の取り崩し幅が改定値914億ドルから871億ドルに縮んだ。GDPのマイナス要素ではあるが、2.20ポイントと従来推定2.34ポイントより小さい。
経済の3分の2を占める個人消費は3四半期ぶりのプラス転換であるが、伸び率は速報の2.16%からまず改定値で1.55%に下方修正となり、さらに 1.35%に引き下げとなった。耐久財が9.52%、サービス0.94%とそれぞれ改定値より小幅のプラス。ただ、非耐久財は0.59%減から0.38% 減に上方改定だった。
設備投資は37.30%減少した。1947年に四半期ごとの記録が始まってから最大の落ち込みで、また改定値のマイナス幅36.94%以上でもある。建造物、機器・ソフトウエアともに従来推定を上回る落ち込み。住宅投資は2006年1-3月期以来、13四半期連続ダウンで、マイナス幅は38.79%と改定値を若干上回る。
物価上昇率については、個人消費支出物価指数(PCE)が0.92%低下し、従来推定より下げ幅が縮んだ。反面、エネルギーと食品を除いたコア指数は1.63%上昇と従来推定よりやや高めの伸びである。前年同期との比較で、全体指数が 0.79%、コア指数は1.78%それぞれ上がり、いずれも改定値より上方修正となった。
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失業保険申請件数は前週から1.5万件増加、予想上回る
[経済指標]
米労働省が発表した6月20日までの週の失業保険新規申請件数は前週比1万5000件増の62万7000件だった2週連続プラスとなって5月16日までの週以来の高水準を更新。市場予想も上回った。なお、前週分は速報の60万8000件から61万2000件に改定。
雇用情勢をより良く映すといわれる4週平均は61万7250件となった。前週の61万6750件(修正値)を上回る。前週比プラスは3週間ぶりだ。
失業保険の継続受給件数は6月13日時点で673万8000件だった。前週比2万9000件増加。前週に1月10日から続く増加が止まったのが、再びプラス転換である。継続需給のデータは新規申請件数より一週間遅れとなる。
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2009年06月24日(水)
FOMC、金融政策方針に変更なし
[金融・経済]
米連邦公開市場委員会(FOMC)は24日、短期金利の指標となるフェデラルファンド(FF)金利誘導目標を従来の年 0-0.25%のレンジを維持すると発表した。全会一致の決定。例外的に低い金利環境が続くとの見通しを繰り返している。このほか、最高3000億ドルの長期国債買い入れや、1兆2500億ドルの住宅ローン担保証券、最高2000億ドルのエージェンシー債の購入といった前回会合で決めた計画に変更がないことを示した。
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5月新築住宅販売は前月比0.58%減、予想下回る
[経済指標]
米商務省によると、5月の新築一戸建て住宅販売は年率で34万2000戸となった。前月比0.58%減で、市場予想も下回る。また、4月の販売件数が速報の35万2000戸から34万4000戸に引き下げ。
全体で前月比マイナスでも、市場別に前月を下回ったのは南部だけだった。8.46%落ち、4ヶ月ぶりの低水準を更新した。一方、北東部では28.57%増加し、中西部で18.60%アップ。西部の販売は前月から1.27%増え、8万戸と今年最高である。前年比較の販売は各市場減少し、全国あわせて 32.81%落ちた。
住宅ストックは29万2000戸と、2001年3月以来の低水準だ。前月比2.34%減。2007年5月から減少を続けている。ストック/販売比率は10.2ヶ月。前月時点での10.4ヶ月(修正値)を下回り、昨年7月以来の低水準を更新した。販売価格は中間値で前年比3.36%下落して22万1600ドル。平均値も前年より8.01%低い。
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2009年米コーン作付推定、USDAの3月見通し下回る・専門誌調査
[穀物・大豆]
米農業専門誌ファーム・フューチャーズは24日、 2009年の国内コーン作付が8247万4000エーカーとみられることを発表した。これは480件の農家を対象に今月11-23日に行った調査の結果。 3月に同誌が行った意向調査で8246万エーカーとしていたのよりやや上回るが、米農務省(USDA)の3月時点での見通し8498万6000エーカーを 3%下回る。春の雨天による影響を挙げた。
春小麦の作付推定は1282万6000エーカーとしている。これもUSDAが3月に見越していたより3.6%小さい。
ほかの作物での損失分は大豆に回るとの見方を示している。ただ、イリノイとインディアナの作付が降雨による影響でまだ流動的なため最終推定もまだ出せないとコメント。現時点で7963万1000エーカーとの見方である。3月のUSDAによる見通しから4.7%アップとなるが、同誌が3月に見通していた 8073万エーカーを下回る。
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Eni、ナイジェリアのパイプライン攻撃受けフォース・マジュールを宣言
[エネルギー]
伊石油大手Eniは24日、ナイジェリアの石油ターミナルに通じるパイプラインが武装勢力によって攻撃されたことを受け、顧客に対して同国からの輸出に関する不可抗力による不履行(フォース・マジュール)を宣言した。同国南部を拠点とするニジェール・デルタ解放運動(MEND)は先週19日にブラスターミナルに通じるパイプラインを攻撃、炎上させた。Eniはこれによって日量3万3,000バレルの生産が停止、そのうち日量6,000バレルが同社の分であることを明らかにしている。MENDはこの他、21日にもロイヤルダッチシェルの石油施設3ヶ所を立て続けに攻撃する作戦も実行している。
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5月耐久財受注は前月比1.75%増、予想外のプラス
[経済指標]
米商務省によると、5月の耐久財受注は前月比1.75%増え、予想外の増加となった。これで2ヶ月連続プラスでもある。なお、4月の伸び率は従来推定1.68%から1.78%に改定。
変動の大きい民間航空機が68.11%増加した。自動車および部品は8.09%、軍用機が1.66%それぞれ減少だが、運輸セクターは民間機の伸びを背景に 3.59%アップ。機械が7.71%と項目別で最も大きなプラスである。コンピューター・電子機器は2.23%増。一次金属も前月を上回ったが、金属製品は減少。電気製品も前月よりダウンだ。
運輸を除いた耐久財受注が1.13%、防衛を除いて1.38%それぞれ増加した。全体受注に比べて小幅プラスだが、いずれも前月より伸びペース加速だ。企業の設備投資の目安となる非防衛資本財受注は9.98%アップ。航空機を除くと前月を4.78%上回り、これは2004年9月以来の高い伸びになる。
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