2007年11月28日(水)
米経済成長続くも、ペース落ちる・ベージュブック
[経済指標]
米連邦準備理事会(FRB)は28日に発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、調査の対象期間であった10月から11月半ばにかけて全国的に経済成長が続いたものの、ペースは前回報告より落ちたとの見解を示した。7つの地区連銀がスローダウンを伝え、残る5行は緩やかな拡大あるいはまだら模様との評価だったという。
各連銀によると、個人消費はやや弱含み、年末商戦での売り上げは前年比小幅増加にとどまるとの見方が広がっている。一方、観光業はほとんどの地区で拡大した。金融以外のサービス業では、一部地区の輸送を除いて底堅い需要がみられた。製造業からのレポートは地域間、業種間でまちまちだったとしており、総体的には前回報告からの変化はほとんどなかったことになる。農業、天然資源においては需要が堅調で、特に農産物は輸出向けとあわせて急速に増えた。住宅需給はなおだぶつき、価格や建設業が上向けない状態にあるとの指摘だ。商業用不動産の需要にしても大半の地区でしっかりだったが、頭打ちのサインがみられた地区があったことも記している。銀行や金融機関に関すると、融資需要は伸び悩み、地区によっては法人向けで目立った減少もあった。
最終財やサービスの価格上昇は全般に限られたものの、食品、エネルギー関連になると値上がりが進んだ。エネルギーや特定原材料のコストアップが各種製造業及びサービスの生産費や輸送費を押し上げながら、木材と輸送機の価格下落で相殺の格好となった。反面、エネルギーや食品以外の製品価格は安定しているかやや下げ気味だった。賃金の伸びペースは全般に落ち着き、人材不足の業種にしてもやや上昇圧力が緩んだ。
Posted by 直