2008年06月30日(月)
FEDの利上げによって石油価格は下落、OPEC事務総長
[エネルギー]
OPECエル・バドリ事務総長はベルギーで開かれたエネルギーイベントでダウジョーンズのインタビューに答え、FEDが利上げを行えば金融市場から商品市場に流入している投機資金の流れが止まり、石油価格は下落に転じるとの見方を示した。価格はファンダメンタルズを反映した1バレル100ドル以下の水準に下げるだろうが、OPECはそうした価格下落を懸念していないという。今の1バレル137ドルの価格も、明日10ドルになることも良しとはしておらず、80、90、110ドルであれファンダメンタルズを正しく反映した水準を望むと主張。投機資金は徐々に市場から退出していると信じており、産油国にとって問題とはならないとした。
また、22日にサウジのジッダで開かれた国際エネルギー会議では、投機資金の流入が価格を押し上げているという見方が世界の大勢を占めていることが確認されたとしている。ロイヤルダッチシェルやエクソンモービル、シェブロンなどBPを除く全ての石油メジャー幹部が現在市場に供給不足は生じていないとの認識だったとし、米エネルギー長官とBPのCEOだけが投機的な動きよりもファンダメンタルズによる価格上昇を主張していたとした。
この他、米国によるイランへの制裁措置やイラク戦争、これまでのリビアに対する制裁によって日量600万バレルに上る石油生産が失われたと批判。これまでの米国による生産がなければ、リビアの生産は現在の日量200万バレルから300-400万バレルに増えていたとし、米国の行動が石油価格を押し上げていると批判した。
Posted by 直