2008年07月31日(木)
IGC、08/09年度小麦とコーンの期末在庫見通しを小幅引き上げ
[穀物・大豆]
国際穀物理事会(IGC)は31日に2008/09年度世界小麦生産見通しを発表し、前月時点で見越していた6億5800万トンから6億6200万トンに引き上げた。前年比5400万トン、8.9%増加の見方である。主要生産地の天候改善を理由に挙げており、このうちオーストラリアではタイムリーな降雨により作付が過去最高となったという。しかし、北米春小麦やイラン、シリアでは乾燥による影響懸念があることも指摘している。
2008/09 年度の世界小麦消費は500万トン引き上げて前年比4.8%増の6億3900万トンとした。期末在庫は1億4400万トンとみており、これは前月報告から 100万トン引き上げ。前年度の1億2100万トンも上回る。米国やカナダ、欧州ではコーンの値上がりに伴い飼料向けの小麦消費比率が高まっていることを指摘。しかし、生産が消費以上に伸びる見通しであるため、在庫の上方修正に及んだという。
2008/09 年度世界コーン生産見通しは前回報告での7億5600万トンから7億5900万トンに引き上げた。前月の下方修正分の一部を戻した格好である。前年比は 2600万トン、3.3%減少の見方。米国の生産についてはまだ洪水の影響懸念が残るものの、中西部の天候改善も認識して見通しを据え置いた。欧州の生産見通しも上向き、また中国では前年並みになり得るという。
IGCは、コーン消費を7億8200万トンで据え置いた。2007/08年度の消費推定を引き下げたため、2008/09年度は前年比1.0%増加と、前回報告よりも高い伸びになる見方だ。価格値上がりやほかの農産物での代替を背景に米国などで飼料向け需要が伸び悩んでいるとコメント。しかし、中国、ロシア、中南米は食肉消費の増加に伴い飼料用コーンの消費も増加の見通しとした。エタノール生産など工業用消費は前年から2800万トン増加すると見る一方、米国ではペースが鈍る可能性も示唆した。コーン期末在庫は前年度の1億2600 万トンに対して1億300万トンと予想。前回報告での9700万トンから上方修正した。
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