2008年07月31日(木)
4-6月期GDP速報値は前期比年率1.89%増、予想下回る
[経済指標]
米商務省が発表した4-6月期実質国内総生産(GDP)速報値は前期比1.89%増加となった。商務省は4-6月期のデータ発表とともに2005年から 2008年1-3月期にかけての修正を行い、昨年10-12月期は0.17%のマイナス成長、今年1-3月期の伸び率は0.96%から0.87%にそれぞれ改定。この結果、4-6月期は3四半期ぶりの高い伸びとなる。ただ、市場予想は下回った。
4-6月期の成長に特に寄与したのが貿易収支だった。輸出が9.23%増え、モノだけなら11.9%アップ。いずれも昨年7-9月期以来の高い伸びとなった。サービスは3.50%と前期よりやや伸び悩み。一方、輸入は6.64%減少し、これは2001年7-9月期以来の大きな落ち込みである。モノが6.30%、サービス8.46%それぞれダウン。モノがやはり2001年7-9月期まで遡る大幅マイナスで、サービスは2003年4-6月期以来の大きな減少だった。貿易赤字縮小はGDPに2.42ポイントと1980年7-9月期以来の大きな寄与度を記録した。
経済の3分の2を占める個人消費は1.52%増加した。3四半期ぶりの大幅プラス。非耐久財が衣料品の2けた増加などで4.03%増え、これは2006年1-3月期以来の4%を超える伸びである。耐久財は自動車の落ち込みが響いて 2.97%減少したが、前期の4.28%減からはペースも鈍った。サービスは1.12%アップで、伸び率は前四半期の約半分だ。
政府支出が3.42%増加し、3四半期ぶりに3%台の伸びとなった。GDPへの寄与度も拡大。連邦政府の支出が防衛、非防衛ともに伸びが加速したのを反映して6.68%増えた。地方政府では1.59%アップ。前期に0.25%減少したのからプラス転換した。
住宅投資は15.60%減少だった。10四半期連続の前期割れ。しかし、昨年10-12月期から3四半期続いた2割を超える落ち込みは止まった。
企業の設備投資によるGDPへの寄与度がやや縮小した。伸び率は2.32%。6四半期連続の増加だが、この間で最も低い。建造物への投資は2けた増。しかし、機器・ソフトウエアで3.41%減り、これは2004年1-3月期以来の大幅ダウンだ。
在庫投資は減少が進み、4-6月期のGDPを1.92ポイント削減した。2005年4-6月期以来の大きなマイナス要因となる。非農業部門の在庫投資は1.74ポイントのマイナスで、こちらもGDPには3年ぶりの大きな足かせ要素だった。
物価に関しては、個人消費支出物価指数(PCE)が前期比4.21%上昇した。過去データの改定もあわせて、2四半期ぶりに4%台の伸び率となった。一方、エネルギーと食品を除いたコア部分の伸び率は2.08%上がり、3四半期ぶりの低い伸び。前年同期と比較すると全体指数が3.65%、コア指数2.24% それぞれ上昇した。
Posted by 直