2008年08月12日(火)
6月貿易収支は567.7億ドルの赤字、予想大きく下回る
[経済指標]
米商務省が発表した6月の貿易収支は前月比4.11%減少して567億7200万ドルの赤字となった。市場の赤字拡大予想に反して2ヶ月連続の縮小で、しかも3月以来の大幅ダウン。また、5月は速報段階での597億9000万ドルから592億400万ドルに下方修正となった。今年上半期の貿易赤字は 3513億9400万ドルで、これは前年同期を1.94%下回る。
輸出が4.04%増え、このうちモノが前月を5.14%上回った。いずれも3ヶ月連続プラス、また伸び率は2004年2月以来の高水準だ。項目別では飲食品・飼料と工業品がそれぞれ8%を超える増加で、今年最大の伸びを記録した。自動車関連と消費財は揃って5%超増え、2ヶ月ぶりの高い伸び。資本財は3.01%、2ヶ月ぶりのプラス転換である。サービス輸出は前月を 1.44%上回った。5ヶ月続けての前月比プラスだが、前月よりやや伸び悩んだ。
輸入は1.82%増えた。輸出に比べて鈍い伸び。しかし、輸入だけでみれば3ヶ月連続増加であり、また前月以上の伸びペースである。モノが1.98%とやはり2ヶ月ぶりの大幅アップ。最も輸入が進んだのが工業品であり、これはエネルギー関連の拡大が背景にある。原油も季節調整後では前月比マイナス。ただし、原油輸入は季節調整前で11.54%増加した。4月以来、今年2回目の1割を超えるプラスである。買い付け規模は日量991万8000バレルで今年3番目の高水準。前月より6.12%増えた。単位価格は 117.13ドルと再び史上最高値を更新した。
モノの輸入では自動車関連も0.29%増え、これは前月の減少から回復である。しかし、資本財が3.44%、自動車1.88%といずれも今年最大の落ち込みだ。消費財も前月割れである。
サービス輸入は0.96%増加した。6ヶ月連続プラスだが、前月よりやや伸び悩んだ。
物価上昇を考慮した実質値(リアルマネー)ではモノの赤字が前月比10.26%減の466億7900万ドルだった。石油関連が0.90%増え、しかし非石油は1割を超える減少。
国別で赤字最大の対中国が214億3000万ドルとなり、前月の210億4900万ドルから1.81%膨らんだ。対日や対カナダも拡大し、しかしメキシコとのギャップは縮小。石油輸出国機構(OPEC)に対する赤字は1.87%増えた。前月に2ケタ増となったのと比べてペースは鈍く、OPEC加盟国別でもベネズエラやナイジェリアとの不均衡は進んだが、対サウジアラビアでは縮んだなどまちまち。
Posted by 直