2008年08月28日(木)
4-6月期GDPは前期比3.28%増に上方修正、予想上回る
[経済指標]
米商務省が発表した4-6月期実質国内総生産(GDP)は前期比3.28%増となった。速報段階での伸び率1.89%から情報改定。市場予想も上回り、背景にあるのが貿易赤字のさらなる縮小。このため、GDPへの寄与度が2.42ポイントから3.10ポイントに上がった。1980年4−6月期以来の大きな貢献となる。
4-6月期の輸出増加率が9.23%から13.22%に修正となり、モノとサービスともに上方改定だ。モノだけで 16.58%増。サービスが5.88%のプラスで、前期よりは低い伸びでもギャップは縮んだ。一方、輸入は7.54%減少。2001年7-9月期以来の大きなマイナスであるとともに、速報での6.64%も上回る落ち込みだった。モノが6.30%減から7.57%減になり、速報以上の需要ダウンを示す。しかし、サービス輸入は7.59%減り、これは従来推定の8.46%よりやや小さいマイナス。
経済の3分の2を占める個人消費伸び率は速報での1.52%を上回る1.75%だった。非耐久財が4.18%、サービスは1.33%それぞれ増加し、いずれも速報以上の伸びである。耐久財は前期比マイナスのままで、しかも自動車が19.26%げんと速報以上に落ちた。しかし、家具。家庭用品への支出伸び率が速報値を上回ったことから耐久財全体の減少率も2.53%と速報の2.97%からやや縮んだ。
政府支出が3.86%増加した。速報での3.42%以上の伸びとなり、この結果、4四半期ぶりの大幅プラスである。連邦政府の支出は防衛で速報以上の伸びとなったことを背景に全体で6.68%から6.85%の増加に改定。地方政府でも支出増加率は2.20%で、速報値1.59%を上回る。
在庫投資の取り崩しペースが速報を下回り、GDPを1.92ポイント削減とみられていたのが1.44ポイントのマイナス要因にとどまった。このうち、非農業部門の在庫投資によるマイナス要因の度合いも1.74ポイントから1.27ポイントに縮んだ。
一方、民間の設備投資の伸び率が速報よりやや低めである。建造物への支出が従来は14.31%増と推定されていたのが13.64%増に改定。機器・ソフトウエアは速報通り前期割れ。もっとも3.41%から3.23%とペースはやや緩んだ。住宅投資は15.78%減少した。10四半期連続の前期割れであり、また速報段階での15.60%を僅かにも上回る。
物価に関しては、個人消費支出物価指数(PCE)、エネルギーと食品を除いたコア指数ともに速報からの修正はなかった。全体で前期比4.21%上昇し、2四半期ぶりに4%台の伸び率となる。一方、コア部分の伸び率は2.08%上がって、3四半期ぶりの低い伸び。前年同期と比較すると全体指数が3.65%、コア指数2.24% それぞれ上昇した。
Posted by 直