2008年09月04日(木)
物価上昇は相当な期間続く恐れがある、ECB総裁
[要人発言]
ECBのトリシエ総裁は4日に開いた理事会後の定例会見で、前回の理事会以降に入手された情報によると、インフレ率は物価が安定しているとされる水準を相当な期間大きく上回る可能性があり、中期的な物価安定リスクは上方に向いているとの見方を示した。
マネーと信用の伸びは幾分鈍化する兆候が出ているものの依然としてペースは強く、物価上昇リスクにつながっているという。また、08年4-6月期のGDP が弱含んだことも確認されたが、これは1-3月期に力強い成長が見られたことの反動や、商品価格の高騰の直接的、間接的影響も含む世界と欧州圏の押し下げ材料によるものとした。また、こうした状況において物価上昇や賃金に対する2次的影響を回避することは緊急の課題とも述べた。中長期的な物価の安定は(ECBの)第一の目的であることを改めて強調、物価安定と共に中長期的なインフレ期待を押さえ込むことを強い意志を持って行うと述べた。現在の方針がこうした目的達成につながるとした上で、今後も市場の全ての動向について注意深く見守っていくとした。
現時点での景気見通しの不透明感は極めて高く、全体的に見て下ブレのリスクが高いと警告。エネルギーや食品価格の上昇が個人消費や鈍らせるほか、金融市場における緊張状態が今まで以上に実体経済に大きな影響を与える恐れがあるとした。物価については中期的に上昇リスクのほうが高いと指摘、商品価格が再び上昇する可能性や、過去の上昇の間接的な影響が消費者物価に表れる可能性があるとした。
Posted by 直