2008年09月26日(金)
4-6月期GDPは2.83%成長に下方修正、予想下回る
[経済指標]
米商務省が発表した4-6月期実質国内総生産(GDP)は前期比2.83%増で確定となった。改定値で3.28%増だったのから予想外の下方修正。ただ、速報段階での伸び率1.89%は依然として上回る。背景にあるのが個人消費支出の下方修正。貿易赤字も従来みていたほど縮小しなかった。
経済の3分の2を占める個人消費伸び率が1.22%となった。1.75%を下回り、また速報での1.52%と比べても低い。確定値では非耐久財が 3.86%、サービス0.66%それぞれ増加した。いずれも改定値の伸び率4.18%、1.33%から縮んだ。一方、耐久財は2.53%減とみられていたのが2.78%減に改定。自動車及び部品が従来推定以上の19.73%減で、これは速報段階での落ち込み率18.54%も上回る。
貿易赤字によるGDPへの寄与度が3.10ポイントから2.93ポイントに下方修正となった。輸出の伸び率が従来推定13.22%から12.28%に縮み、特にサービス伸び率の引き下げが5.88%から3.68%と著しい。モノの輸出は16.28%増え、こちらも改定値よりやや低い。一方、輸入は改定値で 7.54%減少だったのが7.25%減となった。モノが7.12%減で、従来推定の7.57%よりやや小幅マイナス。ただ、サービス輸入は改定値の 7.59%を上回る8.09%の減少だった。
在庫投資の取り崩しペースは改定値より速かった。このため、GDPを従来は1.44ポイント削減とみられていたのが1.50ポイントのマイナス要因に修正である。このうち、非農業部門の在庫投資によるマイナス要因の度合いも1.27ポイントから 1.36ポイントにやや拡大。
一方、民間の設備投資の伸び率が2.24%から2.47%に小幅の上方改定となった。建造物への支出が従来 13.64%増と推定されていたのが18.43%増に改定。2006年4-6月期以来の高い伸びである。機器・ソフトウエアは前期割れで確定となり、また 3.23%から5.01%に減少率が広がった。速報段階での落ち込みも上回るペースだ。住宅投資は13.28%減った。10四半期連続の前期割れ。ただ、速報段階での15.60%、改定値15.78%いずれも下回る減少だ。
政府支出が3.94%増で、改定値伸び率3.86%を上回る。連邦政府の支出は従来推定よりやや低めの伸びだったが、地方政府での支出増加率が引き上げとなった。
物価上昇率については、個人消費支出物価指数(PCE)が4.26%、エネルギーと食品を除いたコア指数2.17%だった。いずれも改定値では速報の 4.21%、2.08%で据え置きだったのが、最終的にやや上方修正された格好である。前年同期と比較すると全体指数が3.67%上がり、コア指数 2.26%の上昇。速報及び改定値では3.65%、2.24%だった。
Posted by 直