2009年06月10日(水)
4月貿易収支は291.6億ドルの赤字、予想僅かに上回る
[経済指標]
米商務省が発表した4月の貿易収支は291億6300万ドルの赤字となった。前月比2.21%増で、2ヶ月連続の赤字拡大。市場予想も僅かに上回った。貿易赤字は年初からあわせて1203億5500万ドルで、前年同期から50.83%縮小。
なお、商務省はデータの年次修正を行い、2001-2008年および2009年1-3月のモノの輸出入、2006-2008年および2009年1-3月のサービス輸出入を改定した。ただ、貿易収支全体のトレンドを変えるほどのインパクトはないという。
4 月の輸出が2.27%減少し、1211億1400万ドルと2006年7月以来の低水準となった。モノだけで3.15%のマイナスで、799億7700万ドル。これは2006年1月以降みることのなかった水準だ。カテゴリー別には、食品・飼料・飲料以外揃って前月からダウン。最も落ち込みがきついのは工業品の5.59%。今年最大のマイナス幅でもある。消費財と資本財は3%を超えるマイナス。一方、食品・飼料・飲料は4.12%増え、昨年6月以来の高い伸びとなった。サービス輸出は0.53%、10ヶ月連続減少。411億3700万ドルは2007年6月以来の低水準である。
輸入が1.43% 減少した。9ヶ月続けてダウンとなり、また前月から落ち込みペースが加速。輸入は1502億7700万ドルで、2004年9月以来の水準に縮小した。モノの輸入が1.42%減の1200億6800万ドル。これは2004年4月以来、ちょうど5年ぶりの低水準だ。資本財が3.10%落ち、カテゴリー別で最もきつい。次いで工業品の2.12%減。ただし、この工業品内でエネルギー関連はまちまち。原油自体は輸入が膨らんだ。季節調整前で前月から13.78%、 2ヶ月連続増加。単位価格が12.67%と大幅上昇して46.60ドル。買い付け規模も4.37%増え、日量975万3000バレルとなった。
食品・飼料・飲料と自動車関連は前月比マイナスに転落した。反面、消費財は1.15%増加。医薬品関連、宝飾品、テレビや調理器具などの輸入が特に拡大した。サービス輸入は1.49%減った。8ヶ月連続のマイナス。この結果、302億900万ドルと2007年2月以来の低水準となった。
物価上昇を考慮した実質値(リアルマネー)ではモノの赤字が前月比0.69%増の393億8700ドルだった。石油関連が6.79%落ちたものの、非石油は5.66%アップ。
国別で赤字最大の対中国が167億5400万ドルとなった。前月の156億1800万ドルから拡大。対日も26億600万ドルから32億1800万ドルに膨らんだ。メキシコやドイツ、アイルランド、カナダとのギャップも拡大。石油輸出国機構(OPEC)に対する赤字は35億5100万ドルで、前月の23億 6300万ドルを上回る。
Posted by 直