2009年06月25日(木)
1-3月期GDP確定値は前期比5.49%のマイナスに上方修正
[経済指標]
米商務省が発表した1-3月期の実質国内総生産(GDP)は前期比5.49%減となった。1974年7-9月期から1975年1-3月期に記録して以来の 3四半期連続減少。ただ、減少率は速報での6.14%から改定値で5.72%に縮小し、さらに上方修正である。市場では修正なしの見方が大勢だった。
貿易赤字が一段と縮小し、GDP上方修正に寄与した。確定値では2968億ドルの赤字で、改定値3026億ドルから引き下げ。GDPへの貢献度は改定値で 2.18ポイントだったのが2.39ポイントに上がった。輸出が30.65%減少。改定値では速報の29.95%から28.73%減に上方修正だったものの、このたび引き下げとなった。しかし、輸入も従来推定の34.06%減少から下方修正となり、36.43%と輸出以上に落ち込んだ。
政府支出は2005年10-12月期以来のマイナス転落だが、改定値3.47%から3.08%と減少幅は上方改定となった。地方政府による支出が2.24% 減で、改定値2.95%より縮小。しかし、連邦政府による支出は改定値の4.34%をやや上回る4.44%のマイナスだった。
在庫の取り崩し幅が改定値914億ドルから871億ドルに縮んだ。GDPのマイナス要素ではあるが、2.20ポイントと従来推定2.34ポイントより小さい。
経済の3分の2を占める個人消費は3四半期ぶりのプラス転換であるが、伸び率は速報の2.16%からまず改定値で1.55%に下方修正となり、さらに 1.35%に引き下げとなった。耐久財が9.52%、サービス0.94%とそれぞれ改定値より小幅のプラス。ただ、非耐久財は0.59%減から0.38% 減に上方改定だった。
設備投資は37.30%減少した。1947年に四半期ごとの記録が始まってから最大の落ち込みで、また改定値のマイナス幅36.94%以上でもある。建造物、機器・ソフトウエアともに従来推定を上回る落ち込み。住宅投資は2006年1-3月期以来、13四半期連続ダウンで、マイナス幅は38.79%と改定値を若干上回る。
物価上昇率については、個人消費支出物価指数(PCE)が0.92%低下し、従来推定より下げ幅が縮んだ。反面、エネルギーと食品を除いたコア指数は1.63%上昇と従来推定よりやや高めの伸びである。前年同期との比較で、全体指数が 0.79%、コア指数は1.78%それぞれ上がり、いずれも改定値より上方修正となった。
Posted by 直