2009年08月06日(木)
7月の米小売販売、景気底入れサインでもなお不振
[金融・経済]
米小売大手各社が6日に発表した7月の販売結果は、景気の底入れサインが出始めている中でも消費がなお不振であることを明らかにした。雇用不安等で消費者の慎重姿勢が根強いうえ、7月は各地で悪天候に見舞われたことやこれまでの在庫調整で夏のセールにおいて品薄状態になったのが響いている。このほか、多くの州で夏の免税週間を7月から8月に延長したために、前年との比較が必然的に落ちた。市場関係者の中には政府が打ち出した自動車の買い換え補助によって、衣料品などの購入見送りにつながった可能性を指摘する向きもある。
国際ショッピングセンター協会(ICSC)が各社データをベースに試算した7月の既存店売上高は前年同月比5.0%減少した。小売りの年度初めとなる2月からの月平均4.5%も上回る落ち込み。ICSCのチーフエコノミストはこのうち免税週間の延期要因が売り上げを0.5%削減したと推定する。
小売りのタイプに関わらず、さえない販売報告が多い。会員制卸売りのコストコは前年比7%減り、米ディスカウントストア2位のターゲットが6.5%ダウン。別で特に振るわなかったのはアパレルチェーンでも、ティーンエージャーに人気のアバクロンビー・アンド・フィッチが28%落ち込んだ。
同じくアパレルのギャップも8%減少を報告したが、ドジに5-7月期の一株利益は0.30-0.32ドルと市場の平均予測0.28ドルより高めに見通した。また、百貨店のJCペニーも7月の販売は12.3%と事前予想を上回るマイナスとなりながら、7-9月期の赤字幅見通しを削減した。
Posted by 直