2009年08月12日(水)
6月貿易収支は270.1億ドルの赤字、予想下回る
[経済指標]
米商務省が発表した6月の貿易収支は前月比4.01%増の270億800万ドルの赤字となった。5月に3ヶ月ぶりの赤字縮小だったのが再び拡大。ただ、市場が予想していたのは下回る赤字である。なお、5月の赤字は速報の259億6200万ドルから259億6600万ドルに改定。貿易赤字は年初からあわせて 1729億5500万ドルで、前年同期から52.68%縮小した。
6月の輸出が1.97%、2ヶ月連続で増加した。モノだけで2.29% アップ。カテゴリー別には、消費財以外揃って前月比プラスである。燃料油や化学品、プラスチック素材など工業品が4.98%増え、最も高い伸びとなり、食品・飼料・飲料が3.18%増で続く。ただ、いずれも前月よりプラス幅は縮んだ。資本財は1.42%アップで、昨年7月以来の高い伸び。中でも半導体、民間航空機エンジン、通信機器の輸出が拡大した。自動車関連は一ヶ月前を1.30%上回り、これは3ヶ月ぶりの前月比プラスである。消費財が0.21%減り、美術品・骨董品、書籍・印刷物など落ちた。サービス輸出は1.33%増加。昨年5月以来の大幅プラスとなった。
輸入が11ヶ月ぶりに増加した。伸び率は2.32%。輸入改善に寄与したのがエネルギー関連である。原油輸入は季節調整前で前月から23.73%増え、165億9237万ドルと昨年10月以来の高水準。単位価格が15.54%高となって59.17ドル。さらに買い付け規模も一ヶ月前より10.64%増えて日量934万7000 バレルだ。原油は季節調整後でも工業品で最も大幅増加となり、このほか、燃料油、石油製品も前月より多い。また、化学品や金属などが伸び、工業品全体で 11.74%増加した。
自動車関連が8.46%、3ヶ月ぶりの増加となった。食品・飼料・飲料が1.16%アップ。一報、資本財が 0.26%のマイナス転落だった。油田機材や木材・ガラス・プラスチック、通信機器などが輸入ダウンとなった一方で、コンピューター、民間機、発動機といった資本財はアップ。消費財は4.77%減で、2ヶ月連続の減少。昨年11月以来の大きな落ち込みでもある。玩具、テレビ、アパレルの減少が特に目立つ。モノ全体の輸入が2.55%増。サービス輸入は1.41%増え、前月を上回ったのは昨年8月以来だ。
物価上昇を考慮した実質値(リアルマネー)ではモノの赤字が前月比0.87%減の359億4800万ドルだった。石油関連が12.00%増だったものの、非石油が7.88%のマイナス。
国別で赤字最大の対中国が184億3000万ドルとなった。前月の174億8400万ドルから一段と拡大。日本とのギャップも19億1400万ドルから37 億400万ドル。一方、5月に39億4200万ドルで2番目に赤字幅が大きかった対メキシコで34億2700万ドルに縮小し、この結果、日本と順位が入れ替わった。石油輸出国機構(OPEC)に対する赤字は40億6700万ドルから58億6100万ドルに膨らんだ。
Posted by 直