2009年09月04日(金)
8月非農業雇用数は前月から21.6万人減少、予想以下にとどまる
[経済指標]
米労働省が発表した8月の非農業雇用数は前月比21万6000人減少した。昨年8月以来、ちょうど一年ぶりの小幅マイナスで、市場予想も下回った。雇用は昨年1月から20ヶ月連続ダウン。7月のマイナス幅は速報段階で24万7000人だったのから27万6000人、6月分が46万3000人と従来推定44 万3000人を上回るなど改定はある。それでも、今年1月に1949年10月以来最大の落ち込みを記録してから減少数の縮小が続いた。
8月の雇用は民間だけで19万8000人減となった。政府雇用が1万8000人減少したために、民間雇用は全体以下の前月比マイナス。しかも、減少数はちょうど一年ぶりに20万を割った。
鉱業や建設を含めた製造全体の雇用が13万6000人ダウンとなった。前月以上の減少。建設だけなら6万5000人と3ヶ月ぶりの小幅マイナスである。住宅建設で2900人減。これは、2007年6月の1200人に次ぐ緩やかな雇用削減だ。商業用が600人ダウン。昨年9月から連続して前月を下回ったが、8 月は5月に次いで2番目の小幅減少である。
一方、鉱業は8000人と前月以上の減少だった。しかも、7月分は続報で前月比横ばいだったのが6000人減に改定。製造業だけなら6万3000人減り、これも前月より2万人多いマイナスである。耐久財が5万1000人と前月の2倍以上の減少。ほぼ軒並み前月から再びダウン。耐久財は1万2000人とちょうど一年ぶりの小幅減少だった。多くの非製造業が前月割れとなった中、食品メーカーが3ヶ月連続増加し、飲料品・たばこは3月以来のプラス転換だ。石油関連も4ヶ月ぶりに前月を上回った。
サービス業は昨年7月以来の8万人減少で、政府の減少分を差し引いて6万2000人、昨年4月以来のマイナスだった。多くのカテゴリーが一段とダウンでも、個別には改善が目立ってきた。小売りは 9600人減となったが、昨年2月から続ける前月比マイナスで8月は最小。また、アパレルの減少数9500人によるところが大きい。建設資材・造園が 6400人、家具3700人とやはり減ったが、一方で自動車ディーラーは5200人増え、ガソリンスタンドは2100人、百貨店5800人それぞれアップである。増加した業種と減少で開きはさほど大きくない。
輸送・倉庫もセクター全体1000人減少で、これは昨年4月から連続ダウンとなりながらもこの間最も小幅マイナスである。また、空輸サービスや鉄道、輸送サポート、宅配関連など増加も少なくない。プロフェッショナルサービスが2万 2000人減り、これは昨年4月以来の小幅マイナス。このカテゴリーに入る短期派遣は6500人減少した。昨年1月から前月比プラスになったことはないが、8月の減少数は前月より約1000人少ない。
一方、証券や保険、不動産は振るわず、金融全体が2万8000人減。前月以上に落ちた。レジャー・ホスピタリティーは4ヶ月ぶりの大幅減少で2万1000人ダウン。このうちホテル・外食サービスで前月以上の雇用削減となり、美術・娯楽・レクレーションで減少に転じた。
政府雇用は7月の修正に伴い4ヶ月連続減少である。ただ、前月の2800人からマイナス幅は縮んだ。連邦政府で5000人のマイナス転落。州政府も5000人減少だが、これは逆に前月の4分の1のマイナスだ。地方自治体が前月の半分以下の8000人ダウンだった。
週間平均労働時間は前月に続いて33.1時間だった。市場予想とも一致。時間あたり賃金は18.65ドルだ。前月比0.32%上昇で、予想も上回った。前年と比べて2.59%、2005年1月以来の低い伸びである。
Posted by 直