2009年09月10日(木)
7月貿易収支は319.6億ドルの赤字に拡大、予想上回る
[経済指標]
米商務省が発表した7月の貿易収支は前月比16.25%増の319億5900万ドルの赤字となった。300億ドル台に拡大したのは1月に次いで今年2回目。市場予想も上回った。なお、6月の赤字は速報の270億800万ドルから274億9100万ドルに改定。貿易赤字は年初からあわせて 2073億7100万ドルで、前年同期から51.82%縮小した。
7月の輸入が4.71%増加した。2ヶ月連続プラスで、しかも前月以上の伸びである。モノの輸入が5.72%増え、食品・飼料・飲料以外のカテゴリーが揃って前月からアップ。中でも自動車関連が21.48%と著しく伸びた。消費財が5.01%、3ヶ月ぶりのプラス転換。医薬品や玩具、アパレル、テレビなどを中心に増えた。資本財は4.51%アップで、コンピューター関連、民間航空機、通信機器が製品別の伸び率でランキング上位を占める。
工業品では原油の増加が目立つ。季節調整前で前月から11.56%増えて 185億1043万4000ドル。昨年10月以来の高水準を更新した。単位価格が5ヶ月連続上がって62.48ドル。買い付け規模も日量955万7000 バレルで、一ヶ月前を2.25%上回った。原油は季節調整後でも工業品で最も大幅増加。このほか、金属関連や液化石油ガス、天然ゴムなども前月より多い。工業品全体で2ヶ月続けての増加。ただ、伸び率は3.92%で、前月の1割強よりペースが落ちた。
食品・飼料・飲料が0.82%減少した。3ヶ月ぶりの前月比マイナス。サービス輸入は0.62%増えた。6月に昨年8月以来のプラス転換となり、7月はプラス幅縮小でも再びアップでる。
輸出は2.17%増えた。3ヶ月連続増加で、またこの間で最も高い伸び。モノだけで3.16%のプラスとなり、輸入同様にカテゴリー別でも食品・飼料・飲料を除いて前月からアップ。自動車関連が24.51%と最高の伸びである。次いで消費財の3.07%で、美術骨董、玩具、ダイアモンド、宝飾品が特に大きな増加だった。資本財は民間航空機やコンピューター関連を中心に2.38%前月を上回った。工業品では石油製品、化学、プラスチックなどの増加が目立ち、全体で1.80%アップ。
食品・飼料・飲料は4.74%減となり、今年初めての前月割れである。サービス輸出は0.13%増加。前月から著しく伸び悩んだ。
物価上昇を考慮した実質値(リアルマネー)ではモノの赤字が前月比8.52%増の388億1200万ドルだった。非石油が17.06%増えた一方で、石油関連は3.66%のマイナス。
国別で赤字最大の対中国が204億1700万ドルとなった。前月の184億3000万ドルから一段と拡大。日本とのギャップも37 億400万ドルから38億8700万ドルに広がった。ドイツとのギャップは前月の23億ドルを上回る32億4000万ドルとなった。一方で、対メキシコの赤字幅が34億2700万ドルから29億3400万ドルに縮小し、この結果、ドイツと順位が入れ替わった。石油輸出国機構(OPEC)に対する赤字は69 億4800万ドルで、前月の58億6100万ドルより膨らんだ。
Posted by 直