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2009年10月29日(木)

IGC、小麦とコーンの世界生産見通しを上方修正
  [穀物・大豆]

国際穀物理事会(IGC)は29日に発表した世界穀物需給の月次報告で、 2009/10年度の小麦生産が6億6700万トンになるとの見通しを示した。100万トン引き上げだが、前年からは2.91%減少の見方である。カナダと米国の春小麦は天候要因で収穫が遅れたものの、全体のイールドが事前予想より高いとコメント。オーストラリアでも降雨で生産が上向くのを見込む。反面、欧州連合(EU)の主要国生産は不調の見通しで、アルゼンチンとブラジルは天候絡みの影響懸念を示した。

2009/10年度世界小麦消費見通しは6億4300万トンで据え置いた。前年からは300万トン増加の見方だ。飼料向けで米国を中心に減少する反面、食用と工業用の消費増加との見方を繰り返した。

2009/10 年度貿易は従来予測から300万トン引き上げ、前年比14.71%減の1億1600万トンに改定した。カナダ、オーストラリア、EU、ウクライナの輸出見通しを引き上げたという。

期末在庫見通しは300万トン上方修正して1億8800万トンとした。前年度の1億6500万トンから膨らむ見方である。主要輸出国での在庫が4年ぶりの高水準となる4900万トンの予想で、米国では2001年以来の規模に膨れ上がるのを見越す。

IGC はこのほか、北半球における2010年度産冬小麦の作付について前月に続いて全般に順調との見解を示した。北米の降雨続き、一部欧州や黒海周辺、中近東などでは乾燥と天候絡みの影響も限定的という。しかし、米国では最近の価格下落で作付を減らす傾向が見られ、2010年の世界小麦作付が最終的に前年を下回ると見通している。

IGC は、 2009/10年度の世界コーン生産見通しを400万トン引き上げた。前月に引き下げた以上の上方修正で7億8900万トン。前年度推定7億9000万トンより0.13%と僅かな減少の見方である。

米国では降雨と気温低下で作付が遅れたが、記録的なイールドで生産は前年から2300万トン増加し、3億3000万トンになるのをみている。これは2007 年に記録した過去最高より100万トン少ないだけとも指摘。中国のイールドは事前予想より低く、このため生産推定も300万トン引き下げた。アルゼンチンでは前年比マイナスの作付見通しだが、降雨が寄与する見方も示している。

2009/10 年度コーン消費見通しは7億9700万トンから8億トンに改定した。前年比2.83%増の見方。飼料向け消費を引き上げ、特に米国ではソルガムや小麦から乗り換えが進む見通しという。また、米国は砂糖供給が細っており、コーンベースの甘味料生産が増加するとみられる。

貿易見通しは100万トン下方修正した。8400万トンで、前年度と比べると100トン多い。前年より2.41%多い8500万トンの見通しとなった。カナダとEUの輸入縮小見通しである反面、メキシコの買い付けは増加しているという。米国輸出は前年から前年比700万トン増加と予想する。期末在庫は300万トン引き上げて1 億3700万トンとしたが、前年度の1億4800万トンを下回る見方に変わらない。米国とブラジルでの増加を中国の取り崩しで相殺と見越す。

Posted by 直   

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