2009年10月29日(木)
7-9月期GDP速報値は前期比3.53%増加、予想上回る
[経済指標]
米商務省が発表した7-9月期の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比3.53%増加した。昨年7-9月期から今年4-6月期まで4四半期続いたマイナス成長からプラス転換。しかも、2007年7-9月期以来、ちょうど2年ぶりの高い伸びとなり、市場予想も上回った。
経済の3分の2を占める個人消費が3.35%増となった。2007年1-3月期以来の大幅プラス。このうち耐久財が22.38%アップで、これは約8年ぶりの高い伸びだ。政府の新車買い換え奨励プログラムの効果から自動車及び部品が56.36%と急増したのが背景にある。しかし、自動車以外でも消費は改善。耐久財なら家具・家庭用品も6.46%のプラスに転じた。非耐久財は2.03%、5四半期ぶりの大きな増加。食品、エネルギー製品などの消費が拡大している。サービスは1.18%増え、これは6四半期ぶりの大幅増加だ。
住宅投資が前期を23.28%上回った。2006年1-3月期から14四半期連続ダウンにブレーキがかかり、しかも7-9月期の伸び率は1986年4-6月期以来の高水準。初めての住宅購入に対する税控除が投資改善に寄与している。
在庫投資が前期から1308億ドル減少した。前期よりマイナス幅は縮小。この結果、GDPに0.94ポイント寄与して、3四半期続いたマイナス要素から改善である。また2005年10-12月期以来の大きな寄与度となった。
政府支出が2.32%増えた。前期の伸び率6.72%を大きく下回る。連邦政府が7.88%アップで、やはり前期から伸び悩んだ。一方、地方政府は1.11%のマイナス転落だ。
GDP のマイナス要素となったのが企業の設備投資であり、2.52%減少した。これで5四半期連続のマイナス。ただ、7-9月期はこの間で最も小幅減でもある。建造物への投資が8.98%とペースこそ鈍りながらも再び前期からダウン。しかし、機器・ソフトウエアが1.15%アップとなり、2007年10-12月期以来で増加した。
貿易収支では赤字幅が前期の3304億ドルから3483億ドルに拡大した。このため、GDPには一年ぶりのマイナス要素となった。0.53ポイント削減で、2006年7-9月期以来、ちょうど3年ぶりの大きなマイナス度になる。輸出が前期から14.73%、5四半期ぶりの増加。輸入は2007年7-9月期以来のプラス転換で、また伸び率が16.35%と輸出を超えた。モノ、サービスともに輸出、輸入それぞれ増加である。
物価上昇率については、個人消費支出物価指数(PCE)が前期比2.79%上昇した。1年ぶりの高い伸びである。エネルギーと食品を除いたコア指数が 1.38%上がり、こちらは逆に前期より伸び悩んだ。前年同期と比較すると、全体指数が 0.64%低下と前期からマイナス幅拡大。コア指数は1.33%高く、上昇ペースが鈍った。
Posted by 直