2010年03月12日(金)
IEA、世界石油需要見通しを7万バレル上方修正
[エネルギー]
国際エネルギー機関(IEA)は12日に発表した月報で、2010年の世界石油需要を日量8,657万バレルと推定、前月から7万バレル上方修正したOECD諸国の需要は引き続き伸び悩んでいるものの、中国など新興国の需要が引き上げられたという。2009年度の需要は日量8,501万バレルとやはり7万バレルの上方修正、前年比では20年が120万バレル、1.4%の減少、2010年が160万バレル、1.8%の増加となる。
2月の世界石油供給は日量8,660万バレルと前月から90万バレル増加。OPECの生産量は日量2,920万バレルと前月から20万バレル増加、14ヶ月ぶりの高水準となった。このうちイラクの生産増が全体の半分を占めている。4-6月期のOPECへの石油需要(call on OPEC)は日量2,960万バレルと、非OPEC諸国の生産増により前月から引き下げられた。非OPEC諸国の生産は2010年度が日量5,180万バレルと20万バレルの上方修正、カナダの生産見通し引き上げが背景にある。2009年度も生産は日量5,150万バレルと前年比で75万バレル、2004 年以来の大幅な伸びとなった。
OECD諸国の石油在庫は1月末時点で27億300万バレルと前月から3,440万バレル増加。前年同月を 0.1%下回る水準にある。在庫は消費の59.2日分をカバー、前年を0.1日上回っている。速報データを基にした2月末時点での在庫は、前月から 2,860万バレル取り崩し。また大型タンカーなどを利用した、所謂洋上在庫の取り崩しも進んでいることも指摘。洋上在庫は2月末時点で約5,200万バレルと、前月の5,900万バレルから大幅に減少、昨年春の9,000万バレルも大幅に下回っているという。
1-3月期の世界の製油所稼働は日量7,250万バレルと前期から14万バレル減少した。もっとも、前年同期は91万バレル上回っている。新たな製油所が稼働する中国やアジア諸国では前年比で210万バレルの増加が予想される一方、OECD諸国の稼働は伸び悩みが続いている。
Posted by 直