2009年05月29日(金)
IGC、09/10年度コーン世界生産を下方修正
[穀物・大豆]
国際穀物理事会(IGC)は29日に発表した世界穀物需給の月次報告で、2009/10年度の小麦生産見通しを100万トン引き上げて6億5100万トンとした。前年比5.09%減少の見方である。ロシアと中国で降雨に伴う生産見通し改善といい、北アフリカの豊作予想も維持。しかし、米冬小麦には降雨の効果がなかったことを言及し、また米北部プレーンズにおける春小麦の作付が遅れていることを指摘している。欧州でも南東の天候絡みの影響を反映して生産全体が下向いているとのこと。アルゼンチンの干ばつも挙げた。
2009/10年度世界小麦消費見通しは逆に100万トン引き上げて6億 4300万トンに改定した。米国の飼料需要増加を反映している。ただ、前年度の推定を300万トン上方修正したため、前月の報告で2009/10年度は横ばいとみていたのが、0.31%減の見方になった。世界全体での消費需要は前縁割れともみている。ただ、食用および工業用の消費増加の可能性があるともした。
2009/10年度貿易は1億1200万トンで据え置き、2008/09年度の1億2200万トンから減少を見越す。北アフリカや中東のEU産輸入需要が自国の収穫改善で細る見通しとなっており、アルゼンチンの出荷も限定的になるという。期末在庫見通しは、2008/09年度と 2009/10年度それぞれ400万トン削減し、1億5800万トン、1億6700万トンに改定した。
IGCは、2009/10年度の世界コーン生産見通しを700万トン引き下げた。この結果、最新予測は前年比1.66%減の7億7100万トン。前月の報告で引き上げた以上の下方修正である。米国で降雨のため作付が遅れており、イールドへの影響懸念があるという。欧州南東でも乾燥高温の状態にあり、欧州連合の生産見通しが不透明とコメント。しかし、中国は降雨に恵まれて改善しているとのことだ。
2009/10 年度コーン消費は前年から1.93%増えて7億9200万トンになるとの見通しだ。100万トンの引き上げ。多くの国では景気後退や金融問題で食用肉の消費に影響は及んでいるが、飼料需要自体は増加が見込まれるとしている。米国のエタノール生産用消費が約9%伸びる見通しであるなことなどから工業用需要も前年比プラスになるのを予想。
貿易は8300万トンで据え置いた。前年度分は200万トン引き上げたが、それでも2009/10年度は前年比プラスの見方である。米国の輸出拡大が見込まれ、世界需要の増加とウクライナとの競争は限られるとの見方が背景にある。ブラジルの出荷もアルゼンチンの供給ダウンが寄与する見通し。期末在庫見通しは前年度の1億3900万トンから1億1800万トンになるとした。11万トンの引き下げである。
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2009年05月28日(木)
アルゼンチン取引所、大豆生産推定さらに引き下げ
[穀物・大豆]
アルゼンチンのブエノスアイレス取引所は2008/09年度大豆生産が最終的に3200万トンとどまるとの見方を示した。従来推定の3280万トンより800万トン少なく、シーズン初めに未婚でいた5000万トンも大きく下回る。イールド推定は1.9トン。前年度の 2.9トンから下がり、取引所によると10年以上ぶりの低水準になる。
2008/09年度コーン収穫は1270万トンと見越しているうちの9割以上が終わったと報告した。
取引所はこのほか、2009/10年度の小麦作付が極めて遅れていることを伝えている。土壌水分が非常に低いところへ、前週の乾燥と高温が5月の降雨による効果をそう際したという。また価格下落で生産意欲が後退気味と指摘した。取引所による現時点での作付見通しは前年比18.6%減の370万ヘクタールだが、天候や経済絡みで改善がないと引き下げは十分あり得るとコメント。逆に上方修正の可能性は小さいことも示唆した。
Posted by 直
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