2007年10月09日(火)
FOMC、0.5%利下げを適切な措置と評価・議事録
[金融・経済]
米連邦準備理事会(FRB)が9日に発表した先月18日の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録には、将来の金融政策が目先の景気動向次第という点で強調されていた。議事録は、極めて不安定な金融市場を反映した先行き不透明感が強まる中、0.5ポイントの利下げは適切な措置と全会一致の決定であったと同時に景気と物価のリスクバランスで判断を下すことをメンバー揃って拒否したことを指摘。議事録は、この日の声明にリスク評価を示すことは当局が景気の行方に確信があると間違って伝えることになるのが理由だったと記している。
議事録によると、FRB職員はこのFOMC会合での資料用として最近の金融市場の変動が経済活動を抑制するとの見方に基づいて今年10-12月期と来年の経済成長見通しを引き下げていた。しかし、市場がほとんど回復を遂げることを見越して2009年は成長ペースが加速する見方としている。物価については、入手可能のデータが消費者サイドのインフレが当初予想よりも低いことを示していることからスタッフは個人消費支出物価指数のコア部分見通しをやはり下方修正した模様である。連銀内ではコア物価は2008-2009年にスローダウンする見方という。
FOMCのメンバーの間でも景気拡大の鈍化リスクが高まりつつあるとみていたことを記している。しかし、過去の経験則から米経済の底堅さも取り上げたようだ。景気見通しには僅かな調整を行っただけというが、連銀職員同様にこれまでの情報から物価情勢の改善を認識。また、インフレ後退が続くことにやや自信も出てきたとしている。物価上昇期待も抑えられていることでも同意した模様。しかし、福利厚生コストや単位労働コストが上向き気味なことや国内外の稼働率の上昇などを理由にインフレ圧力が強まるリスクはあると警戒姿勢を維持した。ドル安が続いた場合にもインフレリスクが高まると注目していることも議事録を通じてわかった。
Posted by 直