2008年08月01日(金)
7月非農業雇用数は前月比5.1万人減少、予想は下回る
[経済指標]
米労働省が発表した7月の非農業雇用数は前月比5万1000人減った。7ヶ月連続の減少となり、雇用が7ヶ月以上連続して前月を下回ったのは2001年3 月から2002年5月にかけて以来である。ただし、市場予想ほど落ち込むには至らなかった。また、5月の前月比が従来推定6万2000人から5万1000 人、6月分は速報段階での6万2000人から5万1000人にそれぞれ改定。この結果、雇用は今年に入ってあわせて46万3000人減少し、月平均6万 6000人のマイナスである。前月時点での年初からの月平均6万8000人減(修正値)より若干少ない。
7月は民間だけに絞って7万6000人減少した。昨年12月から8ヶ月連続ダウンとなるものの、この間で2番目に小幅の減少。なお、5月と6月の減少幅は従来推定より引き上げとなった。
鉱業や建設を含めた製造業全体の雇用は4万6000人減った。16ヶ月連続ダウンとなり、しかし昨年10月以来の小幅減少。しかし、製造業だけだと前月に続いて3万5000人のマイナスだった。非耐久財が前月を1万8000人下回り、これは2006年10月以来の大きな落ち込みだ。業種別でも石油関連の増加と飲料・タバコの横ばいを除いて全て減少。食品が4200人と最も大きなマイナスで、印刷関連、プラスチック・ゴム製品の需要後退も目立つ。耐久財では、輸送機メーカーでの需要が8300人減少し、このうち自動車関連で3000人のレイオフ。木製品や家具などでも解雇が広がった。唯一、機械が6100人増加となり、家電も小幅プラス。ハイテクはセクター全体で2500人減だったが、コンピューターだけなら1300人アップ。耐久財全体の雇用は1万7000 人ダウン。昨年12月からの減少基調を続けたが、6月より2000人少ないマイナスだった。
建設は13ヶ月続けて減少した。ただし、マイナス幅は2万2000人と前月の半分以下で、昨年10月以来の小幅。住宅建設で22ヶ月連続マイナスとなり、しかし7月の減少5200人は前月より少ない。商業用は4100人増え、10ヶ月ぶりに増加に転じた。天然資源・鉱業の雇用が1万1000人アップとなり、これは1989年8月以来の大幅増加だ。
サービス業は5000人減った。4ヶ月ぶりのマイナス転落。また、サービス業は民間だけに限れば3万人減少。今年に入って4月を除いて毎月前月を下回っており、しかも7月の削減数は2003年3月以来の大きな規模だ。
民間サービスで最も規模の大きい小売は1万6500人落ちた。8ヶ月連続減少で、また7月は前月より1万人以上多いレイオフだった。自動車および部品の販売で1万600人ダウンとなったほか、建築資材・造園、スポーツ用品や書籍などの娯楽関連専門店でも需要ダウン。百貨店でも解雇が進んだが、一般総合店としては2ヶ月連続増加した。
輸送サービスでは5800人と3ヶ月続けて減少したが、この間で最も小さいマイナスである。航空が再び減り、トラック運送も不振。鉄道は増加した。
金融は前月比横ばいだった。4月から3ヶ月続いた前月割れが一服。融資関連や証券で需要が減った反面、不動産関連は賃貸サービスで4200人と2004年12月以来の大幅増加となった。
プロフェッショナルサービスが2万4000人減った。一段の減少ではあるが、前月に比べてペースが鈍化。事務関連が3万を超えるマイナスだったものの、法律や会計、建築、ハイテクのサポートが増えた。一時雇用は2万9000人ダウン。9ヶ月連続マイナスだが、5月と6月に続けて3万台の減少だったことからややペースが落ちた。
教育、医療の需要は依然として堅調だが、教育だけだと5300人増と昨年11月以来の小幅プラスである。逆に医療は前月を上回るプラス。娯楽も再び増加したが、前月より低い伸びだった。
政府雇用が2万5000人増えた。6月分が速報値の2万9000人から4万3000人の増加に改定となったため、7月は急速に伸び悩んだ格好である。それでも、12ヶ月連続プラス。連邦政府が3000人減って、1月以来の前月比マイナス。だが、州政府と地方政府で需要増加が続いた。
週間平均労働時間は33.6時間となった。市場の横ばい予想に反して前月から0.1時間減り、2004年11月以来の低水準である。時間あたり賃金は前月比 0.33%上昇した。6月の伸び率が速報段階での0.33%から0.28%に改定。7月は若干高めの伸びで、しかし市場予想の範囲内だった。前年同月と比較した伸び率は3.38%で、前月とほぼ同水準。
Posted by 直