2008年08月08日(金)
独FOリヒト、2008/09年度世界小麦とコーン生産見通し引き下げ
[穀物・大豆]
独調査会社FOリヒトは8日に発表した世界穀物市場レポートで、2008/09年度の小麦生産見通しを一段と引き上げた。最新予測は前年比8.8%増の6億5760万トン。前月時点でみていた6億5460万トンを上回る。欧州連合、ロシア、米国、カナダを上方修正し、ウクライナやアルゼンチン、シリア、イランの不作を補うとの見方を示した。
コーンについては従来推定7億4410万トンから7億4660万トンに引き上げた。米国で15年ぶりの大洪水に見舞われて7月の報告では2000万トンの下方修正となったが、今回は200万トンと小幅の引き上げ。全体の見通し改定に寄与したと説明している。それでも、世界全体で生産は前年比3.1%と引き続き減少を見通している。
FOリヒトはこのほか、黒海周辺国からの2008/09年度小麦輸出が大きく伸びることを見通した。作付増加と天気に恵まれ余剰分が増えたためと説明。ロシア、ウクライナ、カザフスタンあわせて3200万トンが出荷可能としており、これから政府の在庫積み増しに伴う購入分を差し引き、また輸送車の不足や品質要因なども考慮して最終的には2300万-2600万トンと予想。最高で前年度の1300万トンの2倍をみている格好だ。
リヒトによると、すでにエジプトやチュニジア、シリア、レバノン、ヨルダンが黒海周辺国から小麦を買い付け済みである。また、最近はイラクが1年以上ぶりに輸入したほか、イランも最低500万トン購入の計画という。
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