2008年10月03日(金)
9月非農業雇用数は前月から15.9万人減少、予想上回る落ち込み
[経済指標]
米労働省が発表した9月の非農業雇用数は前月比15万9000人減った。9ヶ月連続マイナスとなり、しかも、2003年3月以来の大幅減少。市場予想も上回った。雇用は今年に入ってあわせて76万人減少し、月平均8万4000人のマイナスである。前月時点での月平均7万5000人より多い。なお、8月の前月比が速報段階での8万4000人から7万3000人に下方改定となった。一方、7月分は従来推定より7000人多い6万7000人に修正。
9月は民間だけに絞ると16万8000人、昨年12月から10ヶ月連続の減少となった。また、9月はこの間で最大のマイナス。2003年3月以来の大きな落ち込みである。カテゴリー別でも、前月に続いてほぼ軒並み前月比マイナスだった。
鉱業や建設を含めた製造業全体の雇用は7万7000人減った。18ヶ月連続ダウンで、3ヶ月ぶりの大幅マイナス。製造業だけだと5万1000人減少で、前月の解雇ペースよりややスローダウンした。耐久財で前月を下回る減少となったのが背景にある。反面、非耐久財は前月以上に落ち、また製造業全体はこれで 27ヶ月連続減少である。
耐久財が3万7000人、10ヶ月続けて前月から減少。自動車および部品や金属製品、家具、木製品などでの需要ダウンが目立った。耐久財で増加したのは一次金属と一部ハイテク関連だ。非耐久財が前月を1万4000人下回った。食品、テキスタイル製品を除いて全て前月割れ。
建設が3万5000人減った。15ヶ月連続のマイナス、3ヶ月ぶりの大幅減少である。住宅建設で10万7000人と6月以来の10万を超える減少。商業用は 7万4000人減り、これは4月以来の大きなレイオフだ。天然資源・鉱業の雇用だけは9000人と増加基調を維持している。しかし、前月の1万2000人からはやや伸び悩み。
サービス業は8万2000人減った。4ヶ月連続マイナス。民間だけに限って9万1000人落ち込んだ。今年に入り4月を除いて毎月前月を下回っている。また、いずれも2003年3月以来の大幅減少だった。
民間サービスで最も規模の大きい小売は10ヶ月連続減少し、また4万1900人と4月以来の大幅マイナスである。このうち自動車および部品ディーラー、一般総合店、百貨店でそれぞれ1万を超える解雇。飲食品やガソリンスタンドでの需要も減った。増加したのは健康管理関連、無店舗小売ぐらいだった。輸送サービスでは1万6100人減少。航空、海上が再び前月割れとなり、トラック輸送でもマイナス転落した。
金融関連が1万7000人減った。6ヶ月連続のマイナスであり、昨年11月以来の大幅減少である。証券・投資銀行で7800人落ち、これは2001年12月以降見ることのなかった大きな落ち込みである。保険やクレジット関連、不動産での需要も著しく後退した。
プロフェッショナルサービスが2万7000人減った。前月よりペースは緩やかだが、それでも5ヶ月連続マイナスである。事務関連が引き続き振るわず、法律関連、会計も前月よりダウン。このカテゴリーに入る短期派遣は2万4100人減った。11ヶ月連続の前月割れ。
行楽が1万7000人減った。2003年2-4月以来となる3ヶ月連続のマイナス。このうち、美術や娯楽が1万1000人減少した。6ヶ月連続ダウンで、この間に2回目となる1万を超える減少。ホテル・外食サービスは5700人減った。
教育、医療は依然として需要が高い。しかし、いずれも前月から著しい伸び悩みとなった。
政府雇用が9000人増で、1月以来の1万を下回る増加にとどまった。特に伸び悩みが進んだのが地方政府で、前月の2万4000人から1000人に増加幅縮小。州政府は前月の半分の増加。連邦政府はプラス転換した。
週間平均労働時間は33.6時間となった。5月から8月まで連続して33.7時間だったのが、市場の横ばい予想に反して2004年11月以来の水準に下がった。
時間あたり賃金は前月比0.17%上昇した。4月以来の低い伸びで、予想以下である。8月の伸び率は速報での0.39%から0.44%に上方修正となったが、9月はスローダウンした格好だ。9月の賃金は前年同月と比較して3.41%上がった。前月時点での前年比伸び率を下回っている。
Posted by 直