2008年10月08日(水)
全米不動産協会、08年中古住宅販売見通し4ヶ月ぶりに引き上げ
[金融・経済]
全米不動産協会(NAR)は8日に発表した月次住宅市場見通しで、2008年の中古住宅販売見通しを4ヶ月ぶりに引き上げた。最新予測は前年比10.9%減の503万6000戸で、前月時点での 501万戸を上回る。ただ、7月の報告での見通し514万 8000戸には届かなかった。NARは2009年の中古販売についても、535万5000戸から541万1000戸に上方修正した。前年比7.5%増加の見方である。
協会チーフエコノミストは8月の住宅販売ペンディング指数が大きく上昇したことを指摘して、価格下落で住宅を購入しやすくなったことを取り上げている。ただ、ペンディング指数のサンプルサイズが販売データのベースよりも小さいことから指数がぶれやすいことも認識。また、金融市場の混乱による影響にも触れて、様子見が必要なことも示唆した。
中古住宅販売価格は中央値ベースで 2008年に前年比8.3%低下して20万700ドルをみている。8月時点での予測20万3600ドルから2ヶ月連続の引き下げ。2009年の見通しについても20万8500万ドルから20万6300ドルに引き下げ。ただ、2008年度分の修正がより大きいため、2009年の前年比は前月に見越していた 2.4%を上回る2.8%の伸びの見通しになる。
NARは新築市場の行方に引き続き慎重姿勢を維持している。着工件数については前月の報告よりやや見通しを引き上げた。2008年を96万6000戸から前年比28.2%減の97万3000戸とした。2009年には一段と落ち込む見方だが、前月時点での80万1000戸より高い84万3000戸に改定。半面、新築の販売になると、 2008年を前年比35.2%減の50万3000戸と見通し、これは前月より500戸少ない。2009年は6.2%減の47万1000戸とみているが、前月報告での46万3000戸よりは高め。
NARの新築の販売価格は2008年分を前月報告での23万5100ドルから23万4500ドルの見通しに改定した。前年比5.1%下落を見込む。2009年分は2.6%上昇の24万6000ドルと見通しており、従来予測の24万2800ドルから引き上げた。
Posted by 直