2009年03月26日(木)
10-12月期GDP確定値6.34%減少、予想ほど落ち込まず
[経済指標]
米商務省が発表した2008年10-12月期の実質国内総生産(GDP)は前期比6.34%減で確定となった。改定値6.25%減から下方修正。1982 年1-3月期以来の大きなマイナス成長でもある。また、1990年10-12月期-1991年 1-3月期以来で2四半期続けて前期を下回った。ただ、10-12月期確定値は市場が予想していたほどの落ち込みにはならなかった。
経済の3分の2を占める個人消費は4.29%減った。改定値4.32%減より若干小幅のマイナスだが、速報の3.52%は依然として上回る。耐久財の前期比が 22.12%減で据え置きだったのに対し、非耐久財が改定値9.24%以上の9.36%ダウンに修正となった。反面、サービス伸び率は1.43%から 1.55%に拡大。しかし、速報での1.73%に比べるとなお低い。
企業の設備投資は21.71%落ちた。改定値で速報以上となる 21.05%減だったのが一段の下方修正である。建造物への投資が9.41%と改定値より2倍近いマイナス幅だが、逆に機器・ソフトウエアは従来推定に比べて若干鈍い28.12%減少。在庫投資が258億ドル減少となった。速報で前期から62億ドル増加だったのが改定値で199億ドル減少になり、確定値ではマイナス幅拡大である。この結果、従来はGDPにプラス貢献と見られていたのが、0.11ポイントのマイナス要素に転じた。7-9月期に4四半期ぶりで GDPに寄与していたのから再び削減した格好でもある。
住宅投資は22.75%のマイナス。12四半期連続の前期割れであり、しかも改定値以上の減少になる。しかし、速報での23.58%より小さいマイナス幅だった。
貿易赤字は3645億ドルとなった。速報の3564億ドルより多く、しかし、改定値の3729億ドルに比べると小幅赤字。輸出が23.58%と僅かにも従来推定以下の減少になった。ただ、モノの輸出も改定値より小さい32.00%のマイナスだが、サービス輸出が3.54%増から1.48%減に修正。2007 年1-3月期以来の前期割れである。輸入は17.51%、モノ19.56%それぞれ減少で、いずれも下方修正。サービスも輸出同様に改定値で2.71%増だったのが6.67%減になった。2四半期ぶりの減少だ。
政府支出は1.27%増加した。速報で1.85%、改定値1.58%だったことから、伸び率の下方修正を繰り返した格好である。連邦政府による支出伸び率は6.93%に拡大も、地方政府で1.99%と改定値以上の減少だった。
物価上昇率については、個人消費支出物価指数(PCE)が4.87%低下し、エネルギーと食品を除いたコア指数は0.92%上昇だった。従来推定の 5.01%低下、0.75%上昇からそれぞれ修正である。前年同期と比較すると全体指数が1.89%から1.92%、コア指数は1.90%から1.94% と揃って改定値より高い伸びだった。
Posted by 直