2009年03月10日(火)
FRB、来年の経済成長局面入りのシナリオ繰り返す
[要人発言]
米連邦準備理事会(FRB)のバーナンキ議長は9日にワシントン市内で講演し、改めて景気回復に金融システムの安定化が欠かせないとの見解を示した。これは先月の定例議会証言でのシナリオを繰り返した格好である。景気が立ち直るのは確実として、問題はタイミングであると指摘。FRBやオバマ政権の対策が奏功して銀行が落ち着けば、今年終わりに景気後退が終わり、2010年に成長局面となるとした。
バーナンキ議長は特に景気回復に有力金融機関の重要性を訴えた。このため、大手銀行を破綻させるわけにはいかないと強調。銀行救済に努める移行を繰り返した格好であり、また最近の一部議員による銀行破たんを容認する発言に向けた反論ともいえる。米財務省は銀行の資産査定(ストレステスト)を開始したが、議長はその間もリスクの高い企業の監視を高め、体質強化に向けた措置を講じているとも述べた。また、注入した公的資金による効果も評価している。
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1月卸売在庫は前月から0.73%減少、予想ほどの落ち込みとはならず
[経済指標]
米商務省が発表した1月の卸売在庫は前月比0.73%減少した。5ヶ月連続で前月を下回り、在庫は4242億2700万ドルと3月以来の低水準を更新である。ただ、1月のマイナス幅は前月の1.47%の約半分。市場予想ほど落ち込みもしなかった。なお、昨年12月は速報での1.43%減から改定だ。
1 月の耐久財在庫は前月を1.27%下回った。4ヶ月続けて減少し、しかし全体同様に取り崩しのペースは鈍化。自動車および部品が4.82%と3ヶ月ぶりの減少に転じ、在庫は416億8600万ドルと昨年6月以来の低水準となった。家具が3.50%落ち、前月以上のマイナス。ビジネス機器が2.62%減、このうちコンピューター関連だけなら3.18%のマイナスだった。電気・電子機器も前月割れ。機械だけが1.13%増え、7ヶ月連続プラス。非耐久財在庫は 0.28%増えた。昨年7月以来で前月を上回った。ただし、石油の1割を超える増加と、アパレルおよび農産物が前月をわずかに上回ったのが背景。化学やアルコールなどほかの項目は揃って減少した。
1月の卸売売上高は前月比2.85%減少した。7ヶ月連続の前月割れとなり、3261億 4900万ドルと2006年5月以来の低水準である。ただ、昨年12月に続いて前月からの減少ペースはスローダウンした。耐久財が6.47%落ち、反面、非耐久財が0.28%のプラス。在庫率は1.301となった。前月の1.273(修正値)から上昇し、2001年12月以来の高水準。
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2009/10年度世界コーヒー供給見通すのは尚早・ICO
[コーヒー]
国際コーヒー機関(ICO)は10日に発表した月次市場報告で、2009/10年度の世界コーヒー供給見通氏発表を見送った。生産周期の裏作に当たることからブラジルの公式見通しが3690万3880万袋に減少となっていることやペルーでもまた周期要因から前年割れの見通しとなっているのを指摘したものの、ほかの生産国では収穫年度開始が遅く、生産予想を出すは早すぎると説明している。ICOは前年から大きく落ち、需給ひっ迫は必至とするだけにとどめた。ディレクターのオゾリオ氏が先月に米通信社ダウ・ジョーンズとのインタビューで示した2009/10年度の世界生産予測1億2500万袋には触れていない。
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サウジ、4月欧州向け出荷量を一部削減、アジア向けは据え置き
[エネルギー]
ダウジョーンズが製油所関係者や石油メジャーの話として10日に伝えたところによると、サウジ国営のサウジアラムコは、アジアの顧客に対し4月の出荷量を3月からほぼ据え置くとの意向を伝えた模様。長期契約からは約15%の削減となる。一方、欧州向けに関しては2社に対して据え置きを、1社に対しては3月から5-10%削減を通知したとされている。
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フィリピン農務省、2009年コーン生産目標引き下げ
[穀物・大豆]
フィリピン農務省は10日、2009年のコーン生産目標を引き下げたと伝わっている。政府関係者によると、従来は780 万トンとしていたのを730万-740万トンに改定。今年前半の生産が天候要因から前年比2.6%減の320万トンになる身年であるのが背景にあるという。前年度の生産不調に起因した肥料コスト高騰も現時点で落ち着いており、同氏は、今年後半の生産回復を期待しているともコメント。前年の生産は肥料コスト高騰が響いて当初見越していた730万トンを下回る893万トンにとどまった。
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2009年03月09日(月)
総会における追加減産決定の可能性を示唆、OPEC議長
[エネルギー]
OPEC議長を務めるアンゴラのバスコンセロス石油相は、9日に発行された独誌とのインタビューで、OPECは15日の総会で必要ならば追加減産を決定する可能性があるとの見方を示した。我々の最終目標は1バレル75ドルまでの石油価格引き上げにあるが、世界的な金融危機によって価格回復は難しく、今年は非常に困難な状況に直面するとした。
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ブラジルCONAB、08/09年度生産推定をコーン、大豆とも引き上げ
[穀物・大豆]
ブラジル農務省商品供給公社(CONAB)は9日、2008/09年度穀物生産推定で大豆とコーンを引き上げたと発表した。大豆は0.73%上方修正し、 5763万4500トンとした。前年比3.97%減の見方。作付は0.38%引き上げたイールドを従来推定より10キログラム高い2674キログラムに改定している。
コーン生産は0.12%と小幅ながらも上方修正で、5036万8200トンの見方である。メインクロップを0.74%引き上げた。しかし、サブクロップは1.04%の下方修正。作付はメインとサブいずれも前月時点での推定を下回る。しかし、メインのイールドを3513キログラムから3568キログラム、サブを3396キログラムから3440キログラムにそれぞれ引き上げた。
小麦生産推定を603万600トンで据え置いた。前年比47.19%増をみている。作付面積、イールドそれぞれ従来推定から修正なし。
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カナダ農務省、2009/10年度全小麦作付見通し引き下げ
[穀物・大豆]
カナダ農務省(AAFC)は2009/10年度(8-7月)穀物・油種需給見通しで、全小麦の作付を引き下げた。1月の初回見通しで2389万5000エーカーとしていたのから2327万7000エーカーに改定し、前年比較は6.9%減少の見方である。デュラム小麦だけで 18.0%減の494万2000エーカー。やはり従来の560万9000エーカーから下方修正だ。
コーンは310万9000エーカーから308万4000エーカーに引き下げた。しかし、前年比3.7%増と増反の見方は維持している。
小麦に次いで規模の大きいカノーラについて農務省はこれまでも前年度に記録した過去最高1615万9000エーカーを上回るのをみていたが、最新見通しでは 1723万5000エーカーと、1月時点で見越していた1680万3000エーカーからアップ。大豆は前年比8.7%増の321万2000エーカーで据え置き。
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世界石油需要は前年比で100万バレル減少、OPEC事務総長
[エネルギー]
OPECのエル・バドリ事務総長は9日、カタールのドーハで質問に答え、世界の石油需要は2009年に前年に比べ最大で日量100万バレル減少する可能性があり、引き続き価格の下落圧力となるとの認識を示した。ダウジョーンズが伝えた。またOPEC加盟国の減産遵守率はここまで80-85%に達しているとし、それによって現在価格が安定しているとも述べた。価格水準は決して満足するものではないが、少なくとも値動きは落ち着いてきたという。
価格は新規の開発投資を呼び込むには十分な水準ではなく、今後の価格動向次第では更なる計画中止が発生する恐れもあるとした。事務総長は前週、加盟国で35に上るプロジェクトが中止されたことを明らかにしている。また、世界で数多くの景気刺激策が打ち出されているが、現時点で大きな効果を得ているものはないと、米国などの経済対策に不満を表す場面も見られた。
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