2009年05月12日(火)
3月貿易収支は275.8万ドルの赤字、8ヶ月ぶりに赤字拡大
[経済指標]
米商務省が発表した3月の貿易収支は275億7700万ドルの赤字となった。前月比5.52%増で、昨年7月以来の赤字拡大。それでも、これで2ヶ月連続して約7年ぶりの300億ドル割れであり、また市場予想も下回る。なお、2月の赤字は速報の259億6500万ドルから261億3400万ドルに改定。
1-3月期は899億1500万ドルの赤字になり、前年同期から49.61%縮小した。
3 月の輸出が2.38%減少した。モノだけで2.97%のマイナス。2月に昨年7月以来のプラス転換したのが、再びダウンである。資本財が民間航空機や同エンジン・部品、通信機器、半導体などを中心に5.20%減となった。消費財は4.24%落ち、医薬品や玩具、化粧品、家電といった製品の減少が特に大きい。自動車関連も4.02%のマイナス。一方、食品・飼料・飲料は2.49%増え、工業品も0.28%と小幅ながらも増加した。サービス輸出は 1.19%、3ヶ月連続減少。
輸入が1.03%減少した。8ヶ月続けてダウンだが、3月はこの間で最も小幅のマイナスになる。モノの輸入が1.04%減で、全体同様に昨年8月から前月比マイナスを維持であり、しかしペースは著しく鈍化した。カテゴリー別でもまちまち。工業品は2.06%減り、8ヶ月連続のマイナス。しかし、昨年10月以来の小幅減少にとどまった。背景にあるのが、石油や一部エネルギー製品や化学品のプラス転換。特に、原油は季節調整前で前月を19.87%上回った。前月比プラス自体が5ヶ月ぶりで、また伸び率は昨年7月以来の高水準。単位価格が昨年8月から今年2月まで続いた下落が止まり、41.36ドルに上昇した。買い付け規模も前月から2.66%増えて日量934万5000バレルとなった。原油は季節調整後でも前月からアップとなり、また液化ガスや金属関連も増加。天然ガスやタバコ、紙などは減少した。
資本財も1.73%減り、これは6ヶ月連続のマイナスである。しかし、これもまたペースは鈍った。工業エンジンや機械などがダウン。民間機部品も減ったが、民間機は増加した。またコンピュータ関連、半導体もアップ。消費財は玩具や家電、アパレルなどを中心に0.80%、5ヶ月ぶりに増加した。自動車関連は0.24%のプラスで、昨年6月以来で前月を上回った。食品・飼料・飲料も5ヶ月ぶりのプラス転換で、0.52%増加。サービス輸入は096%減った。7ヶ月連続のマイナスだが、前月より緩やかな減少である。
物価上昇を考慮した実質値(リアルマネー)ではモノの赤字が前月比0.66%増の359億ドルだった。石油関連が3.67%落ちたものの、非石油は2.81%アップ。
国別で赤字最大の対中国が156億1800万ドルとなった。前月の141億9600万ドルから拡大。対日も22億600万ドルから26億600万ドルに膨らんだ。メキシコとのギャップも広がり、しかし対カナダの赤字が縮小した。石油輸出国機構(OPEC)に対する赤字は20億8400万ドルから23億 6300万ドルにアップ。対ナイジェリアで前月の2倍近い赤字となり、サウジアラビアとのギャップも広がった。しかし、ベネズエラに対する赤字は前月より縮小。
Posted by 直