2009年08月07日(金)
7月非農業雇用数は前月から24.7万人減少、予想下回る
[経済指標]
米労働省が発表した7月の非農業雇用数は前月比24万7000人減少した。昨年8月以来の小幅マイナスで、市場予想も下回った。雇用は昨年1月から19ヶ月連続ダウン。しかし、今年1月に1949年10月以来最大の落ち込みを記録してから減少数は徐々に縮小している。なお、6月のマイナス幅は速報段階で 46万7000人だったのが44万3000人に改定となり、5月も30万3000人と従来推定の32万2000人より縮んだ。
7月の雇用は民間だけで25万4000人減となった。政府雇用が7万人増加した分、民間雇用は全体以上の前月比マイナスになるが、それでも昨年8月以来の小さな減少だ。
セクター別にも減少ペースの鈍化が目立つ。鉱業や建設を含めた製造全体の雇用が12万8000人ダウンとなった。これは昨年9月以来の小幅マイナスになる。鉱業だけなら前月比横ばいで、昨年11月から今年6月まで8ヶ月間続いた減少が止まった。建設の減少数は前月を下回る7万6000人。ただ、商業建設は前月の半分以下になる5900人減だったが、住宅建設に限ると前月から1万1200人少なく、これは4ヶ月ぶりの大幅マイナス。
製造業だけなら5万2000人減った。昨年9月以来で10万を下回り、規模自体はちょうど一年ぶりの小さい減少である。耐久財が3万2000人で昨年7月以来、非耐久財は2万人で3ヶ月ぶりの小幅減少。製造業の大勢が一段の雇用縮小になっているが、その中でも昨年に一度も増えたことのなかった自動車および部品メーカーで2万8200人増加と2月以来のプラス転換となった。ほかの輸送機器メーカー、また皮革製品でも需要が上向いた。
サービス業は11 万9000人、政府の減少分を差し引いて12万6000人それぞれダウンとなった。いずれも前月より落ち込みペースが鈍化。サービスにしても前月より減少したセクターが多く、しかし細かく業種分けでみると改善もみられる。小売りは4万4100人減り、このうちガソリンスタンドや健康管理に限ると増加。金融なら銀行で横ばいだったが、証券や保険、不動産が前月よりダウンだ。プロフェッショナルサービスで3万8000人減った。法律サービスや建築関連、事務職が一段と減少した反面、会計、ビジネスサポート、コンサルタントは前月比プラス。このカテゴリーに入る短期派遣は9800人のマイナスだった。昨年1月から前月以上になったことはないが、7月の減少数はは前月の約3分の1にとどまった。
政府雇用は3ヶ月ぶりの増加に転じ、これも連邦政府で1万2000人増加したためである。州政府は5000人減少。地方自治体が前月から変わらない。
週間平均労働時間は33.1時間だった。6月に過去最小の33.0時間となったのから増え、市場予想と一致。時間あたり賃金は18.56ドルだ。前月比0.16%上昇で、予想も上回った。前年と比べて2.54%上がり、これは2005年1月以来の低い伸びになる。
Posted by 直