2009年08月27日(木)
IGC、2009/10年度世界小麦及びコーン生産見通し引き上げ
[穀物・大豆]
国際穀物理事会(IGC)は27日に発表した世界穀物需給の月次報告で、 2009/10年度の小麦生産見通しを800万トン引き上げて6億6200万トンに改定した。欧州と米国、ウクライナ、中国で当初見越していたよりも高いイールドとしている。しかし、カザフスタンとイランでは乾燥による影響があることも指摘。アルゼンチンとオーストラリアではさらなる降雨が望まれるとの見方も示唆した。世界生産は前年比3.64%減の見方である。
2009/10 年度世界小麦消費見通しは6億4200万トンで据え置いた。ただ、速報での前年割れ予想から100万トン増の見方にシフト。これは2008/09年度分を200万トン引き下げたためである。
2009/10 年度貿易も従来予測1億1300万トンを維持した。前年比は2008/09年度分の修正により16.91%減とマイナス幅が広がる。エジプトは最近の大量買い付けに伴い輸入見通しが下方修正。ブラジルも国内の予想以上の生産増加により引き下げとなった。韓国では飼料向けに小麦との競争が激しいという。輸出見通しは欧米で生産の上方修正に伴い多めになった。これに対し、カナダとアルゼンチンは供給難によって引き下げである。
期末在庫見通しは、 2008/09年度分を300万トン引き上げ1億6300万トン、2009/10年度分は900万トン上方修正して1億8300万トンとした。欧州と米国の生産ぞうかで、5大輸出国の在庫が従来推定を400万トン上回る4600万トンに改定し、前年度と比べても100万トン多い見方。また、中国とインドの在庫見通しも引き上げた。
IGCは、 2009/10年度の世界コーン生産見通しを600万トン引き上げた。2ヶ月連続の上方修正で、7億8700万トン。米国で天気に恵まれてイールドが改善したためという。しかし、欧州は逆にイタリアの気温上昇による影響を反映して従来世より見通しが下向いた。中国は北部の乾燥によってイールド低下の見通し。アルゼンチンは例年並の降雨ならイールドが前年度から上がるはずだとしている。なお、世界生産は2008/09年度推定も7億8700万トンから7億 8900万トンに改定したため、2009/10年度の前年割れ予想には変わらない。
2009/10 年度コーン消費は7億9700万トンと、前月報告で見越していた7億9300万トンよりアップである。前年比2.44%増加の見通し。飼料向け需要の見通しに変化はないが、工業用で米国のエタノール消費上方修正を背景に引き上げ。
貿易は前年度を100万トン上回る8400万トンの見通しを保った。飼料向けで小麦からコーンに乗り換えに伴う輸入増加見通しがある。米国とのブラジルの輸出は前年から増加が見込まれるが、アルゼンチンとウクライナはダウンと予想。期末在庫見通しは米国の生産改定により1億3300万トンから1億3600万トンに引き上げた。前年度分も100万トン引き上げて1億4600万トンとしている。
Posted by 直